ハンセン、ロード・ウォリアーズ、有賀さつきさん アンナミラーズ初代店長が語る高輪店を彩った面々

杉田 康人 杉田 康人
アンナミラーズ高輪店の初代店長だった鼎正教さん
アンナミラーズ高輪店の初代店長だった鼎正教さん

 女子店員のかわいい制服や、アメリカンパイなどで人気だったレストランチェーン「アンナミラーズ」最後の店舗だった高輪店(東京都港区)が8月31日、閉店した。最後の〝アンミラ〟の雰囲気を味わおうと、同日午前2時ごろから根強いファンが押しかけた。約260枚の入場整理券配布は、朝7時半までに終了した。

 1983年(昭和58)にオープンした同店の初代店長で、運営会社・井村屋フードサービス部の鼎(かなえ)正教さん(67)がよろず~ニュースの取材に応じた。鼎さんは、1977年(昭和52)に井村屋に入社。広尾、赤坂などの店舗を経て、28歳で高輪店に。「オープンしてから、品川の駅の風景も変わってきた。港南口ができ、水族館もでき、新幹線も止まるようになった。せめてリニアモーターカーが通るまでと思っていたが…」と残念がった。

 オフィスもあり、ホテル利用の観光客や乗り換え客なども多い品川駅前にあった高輪店。鼎さんは「立地はベストだったのでは。平日、土日問わず忙しかった。本当に、多種多様なお客さまがいらっしゃった」と思い出す。看板にハートマークやピンク文字が躍る同店の、意外な常連客を語った。

 「宿舎が近いからか、広島カープや南海ホークスの選手が多くいらっしゃいました。広島の山本浩二選手、南海の畠山(準)選手…」と、ミスター赤ヘルなどの名を挙げた。

 スタン・ハンセンさんや、アニマル&ホークのロード・ウォリアーズも常連だったという。「ステーキを何枚も食べていた。日本人がすしを食べるように、米国の味を食べたかったんじゃないですかね…」と振り返る。

 あまりに客が多く、店員の案内を待たずに店内に入る人が多かったという。鼎さんは「背の高いウエイトレス3人を入口に立たせ〝壁〟になってもらった」と笑う。そのうちの1人は、後にフジテレビアナウンサーになる有賀さつきさんだった。

 「たまたまフジテレビのF1中継を見ていて、彼女を見つけてビックリしました。まさか、あんな悲しいことになるとは思いませんでしたが…」と、52歳で早世した女子アナをしのんだ。

 鼎さんの元には、閉店を惜しむ声が多く届いているといい「早く次の店を出さないといけない。第2のアンナミラーズは高輪、品川地区で」と、早期復活を期した。品川駅西口基盤整備事業にともなう閉店で、井村屋は都内での新規出店を検討している。

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