フリートウッド・マックやデイヴィッド・リー・ロス・バンドなどをサポートしたキーボード奏者ブレット・タグルが死去した。70歳だった。
ブレットが他界した翌日20日にはブレットを惜しむ追悼の言葉が溢れ、ミュージシャンのリック・スプリングフィールドはツーショット写真と共にこうツイートしている。「私たちの素敵なブレット・タグルが今日帰途に着いた。神がその美しい魂を祝福している」
再結成したフリートウッド・マックを20年サポート、1980年代にはデイヴィッド・リー・ロス・バンドのメンバーとして活躍したブレットだが、がんとの長い闘病生活の末、19日に息子マットと娘ミシェルを残して帰らぬ人となった。マットはローリングストーン誌にこう語る。「家族から本当に愛されていました。闘病中も彼の傍には家族がずっといましたから。素晴らしい父親でした。私の人生に音楽をくれたのもの彼です」
ブレットは他にもジミー・ぺイジ、デイヴィッド・カヴァデール、ジョン・ケイ、ステッペンウルフ、スティクスのトミー・ショウ、ミッチ・ライダー、ザ・デトロイト・ホイールズらと共演、デイヴィッド・リー・ロスの1988年のヒット曲「ジャスト・ライク・パラダイス」はデイヴィッドとの共作となっている。
一方ミック・フリートウッドのサイドプロジェクト「ザ・ズー」に参加した1992年からフリートウッド・マックとの活動をスタートさせたブレット、2021年には元メンバーのリンジー・バッキンガムのソロツアーにも参加していた。
1997年から2017年まで、全てのフリートウッド・マックのツアーでキーボードを演奏したブレットについて、リンジーは昨年9月14日にワシントンDCのワーナー・シアターで行われた公演で彼をこう紹介していた。「この男は達人だ。本当に素晴らしいキーボーディスト、べーシスト、ギタリスト、シンガーだ。明晰さと正確性も兼ね備え、彼なしの我々はあり得ない。彼なしではすべては不可能だったし、それはこれからもだ。死ぬほど彼を愛している」