懐かしすぎるアイデア商品のセレクトショップ「王様のアイディア」が22日、ECサイトで復活した。午後8時のオープンに合わせ、ライブコマース(ライブ配信での商品紹介や販売)を兼ねたイベント「王様のアイディア大復活祭」が都内の会場から生配信。運営会社の予想をはるかに超える注文が殺到し、サイトがつながりにくい状態が続いた。
1965年(昭和40)に東京・八重洲地下街で創業した「王様のアイディア」は、最盛期全国に50店舗以上を展開。2007年に閉店したが、今でも50~60代に高い認知度を誇る。運営会社のパートナーズ(東京都)が前の運営会社から権利を取得し、劇的復活を果たした。
店舗で人気だったなつかしグッズ「ドリンキング・バード」「ニュートンのゆりかご」「100万円貯まるBANK」などが復活したほか、日本を代表するアイデア系クリエイターが手がける最新のアイデア商品も販売。イベントでは14組のクリエイターが集結し、ブッ飛んだ発想をもとにした面白く笑えるアイテムをプレゼンした。
新しい「王様のアイディア」は、ECサイトを皮切りに商品を体験できるポップアップストア、実店舗の出店を計画。ゆくゆくは世界展開を目指す考えだ。店長の大澤孝さん(49)は「アイデアは日本が海外に向けて発信できる大きな財産になる。日本の素晴らしいクリエイターの方々や作り手の思い、みなさんのアイデアを世界中に伝えたい」と意気込む。
運営会社のパートナーズがSNSで「王様のアイディアの思い出」を募集したところ、想定以上の声が届いたという。同社の盛田哲平社長(43)は、店舗に足しげく通っていたファンのひとり。アラフィフ世代のファンの思いを背負うとともに「王様―」を知らない若い層への浸透を図る。
アイデア商品がショーウインドーにずらりと並ぶ店構えで、昭和時代は店先に人だかりができていた王様のアイディア。令和4年のいまはSNSとの相性がよく、バカバカしいグッズの数々がSNS上でバズっている。盛田社長は「クリエイターのアイデアを、商品として量産化できるノウハウがある。クリエイターが世に出ていくお手伝いができればと思っているし、王様のアイディアが若いクリエイターのあこがれになれば」と復活の意義を強調した。