東京国税局の職員から吉本興業の芸人になった異色の経歴を持つさんきゅう倉田(37)が、著書「お金持ち、貧困芸人 両方見たから正解がわかる! 元国税職員のお笑い芸人がこっそり教える 世界一やさしいお金の貯め方増やし方 たった22の黄金ルール」(東洋経済新報社)を2022年1月に出版した。
発売後わずか20日で増刷が決定。2カ月で3刷重版されるなど、数多くのマネー本の中で異例の売り上げを見せている。約3年をかけ、伝えたいテーマを書き上げたというさんきゅうは「お金の勉強をしたことがない、もしくはお金の勉強をしたいという人への入門書になれば」と〝世界一やさしいお金の本〟に自信を見せた。
東京国税局に入庁後24歳で退職し、NSC(吉本総合芸能学院)東京校に入学。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、6000人いる吉本興業の芸人の中で「最もお金に詳しい」との異名を持つ。「おもしろそう、楽しそうだと思ったし、能力が伸びて収入が増えると思い芸人になった。すごい変換をしたわけではなく、いっぱいあった職業の中の2つ。実際、収入も増えている」と転身の理由を語った。
公務員時代や講演会などで、お金持ちの経営者と交流。一方、貧困にあえぐ芸人仲間の話を聞くうちに「お金持ちとそうでない人に、共通のパターンがあることに気づいた。100人中100人が同じようなことをしている」と振り返る。避けるべきNG行動と、きょうからすぐにできるお金を貯めるための「22の黄金ルール」を一冊にまとめた。
読者が短い時間で読み切ることを心がけたとし「目次だけ読んでもらってもわかる。共通する行動を知識としてまとめた本はそうない。やることで損することはすすめていない。やっても損しないことを勧めている」と強調した。お金持ちのしぐさはまねできないが、避けるべき悪習慣は反省できる。さんきゅうに「お金が貯まらない人のよくある悪習慣」をいくつか挙げてもらった。
・週に3回以上ATMでお金を引き出す
・交通系電子マネーはいつも「1000円ずつチャージ」
・財布の中がポイントカードでいっぱい
怖すぎるほどあてはまるので、誰でも今からできるお金を貯められる方法をひとつだけ聞いてみた。
「毎月の給料で使える予算を立てて、一週間単位、4で割ってください。週で決めた額は超えないようルールを守る。たとえば月曜日に使いすぎたら、他の曜日で調整する。先週分が余れば、繰り越してもらってもいいです」。異能の〝元国税芸人〟は、月単位よりも週単位の方がよっぽどやりくりができると勧めていた。