賞金、スポンサー、事業プロジェクトはどれも楽に億超え ナダルから見えるお金の話

島田 徹 島田 徹
写真はイメージです(camera papa/stock.adobe.com)
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 みなさんはプロテニス選手のラファエル・ナダルをご存知だろうか?ATPランキングの常連選手でテニスファンなら誰もが知っている存在だが、今回はその懐事情やビジネスマンとしての側面を見ていきたい。

 経済誌フォーブスによると、ナダルの資産は4000万ドル(約46億円)で、世界のスポーツ選手ランキングトップ100の中で27位となっている。ATPツアーでの合計獲得賞金は1億2100万ドル(約165億3600万円)で、これを上回るのは1億4360万ドルのジョコビッチと1億3000万ドルのフェデラーだけ。19歳の時に初優勝したローラン・ギャロス(全仏オープン)では2020年までに13回優勝しており、この大会だけで1900万ユーロ(約24億7000万円)を稼ぎ出している。

  スポーツ選手としての粘り強さ、人間的には愛国心と郷土愛、家族愛が強く模範的な言動からスペインを象徴する存在との見方もあり、高い人気を誇る。スポンサー企業も多く、2017年にはキア(自動車)、ナイキ(スポーツ)、トミー・フィルガー(衣服)、バボラ(ラケットメーカー)、テレフォニカ(大手通信企業)から計2400万ドル(約27億6000万円)の経済的支援を受けている。

  事業展開としては、共同所有する投資会社がマドリードの中心地にある歴史的な建物の開発計画を展開。スパやスポーツジム付きの高級住宅となっており、スペインを代表する実業家の家族が暮らす上流階級の象徴的なものになっているという。

  また5年前には出身地マナコルに広大な敷地を確保してラファ・ナダル・アカデミーをオープンしている。テニスのトレーニングセンターで、19面のハードコート、15面のクレーコートが屋外に、屋内または半屋内に4面のハードコート、7面のクレーコートがあるほか、自身がこれまでに勝ち取ったトロフィーなどを展示するミュージアムや学校施設、ホテル設備を備え、今後の計画としてはサッカーコート、パデルコート、プールやフィットネスセンターやスパを完備することになっている。

  邸宅はマナコルの海沿いの町、ポルト・クリストに1000平米以上の敷地を2013年に400万ユーロ(現在のレートで約5億2000万円)購入している。移動の足にはアストン・マーチーン、フェラーリといった高級車を所有。そのうえ最近になって560万ユーロ(約7億3000万円)、全長24メートルの巨大ヨットも購入。これは5部屋のうち4つがスイートという豪華な造りになっている。

  世界トップレベルのスポーツ選手が手にする金額が一般人の想像を超えているのは間違いない。

 もっとも何を重要視してどう使うかで人間性が出るというのは(スケールは違うものの)皆同じ。そういう意味では障害を持つ少年たちをスポーツ支援するなど社会貢献のための活動をするにも資金は必要。また引退後のスポーツ選手の第二の人生を考えるという理由でお金が語られるのは自然なことで、決して悪いことではなかろう。

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