和田誠さんの17歳から19歳の日記を展示会に 巨匠の若かりし頃を体感

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部

 イラストレーター、映画監督、グラフィックデザイナーなど多彩な才能を発揮し、2019年10月に83歳で死去した和田誠さんの若かりし頃の実像が展覧会になった。「だいありぃ 和田誠の日記展1953~1956」は千代田区のTOBICHI東京で14日まで開催中。死後発見された17歳から19歳にかけた当時の日記をまとめた書籍「だいありぃ」が先月発売されたことを記念して、和田さんが過ごした1953年から1956年を立体的に形にした。

 和田さんが世を去った後、事務所の棚の奥から、6冊のノートが発見された。映画を観に行き、絵を描き、レコードを買い集め、麻雀をしたり、たまにある試験では苦戦したり…。大きな事件が起こるわけではなく、淡々と好きなことを過ごす日々。のちの膨大な仕事につながる「和田誠」の礎が記されていた。このノートをそのままデータ化、和田さんの手書き文字のまままとめられた「だいありぃ」出版を記念して、日記の実物や、生前に集めたAl Jolsonのレコード、友人に送ったはがきや年賀状、手作りののれんなども展示される。

 書籍から選り抜いた和田さんの日々を、連動するイラストや写真とともに展示する。スケッチブックだけ手にして行った修学旅行のエピソードが記述された1954年5月23日の日記から、実際のスケッチブックが登場。日記にリンクする資料を一緒に鑑賞できるよう工夫されている。和田誠さんの17歳から19歳の3年間を、体感することができる。

 和田誠さんは1936年生まれ。多摩美術大学卒業後、ライトパブリシティに入社。68年からフリーランスになりグラフィックデザイナー、イラストレーターとして活躍。星新一の著作の挿絵など出版した書籍は200冊を超え、たばこ「ハイライト」のパッケージデザイン、映画「麻雀放浪記」「快盗ルビイ」の監督など、長年にわたり幅広く仕事を手がけた。89年ブルーリボン監督賞、94年菊池寛賞、97年毎日デザイン賞、15年日本漫画家協会賞特別賞ほか、受賞多数。2019年10月逝去。

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