「ハッピーだけどクズ」なキャラクターたちと生活するスマートフォンゲーム「ハッピークズトピア」(サイバーステップ株式会社)が10月にリリースされ、主要キャラクター全員が家賃を滞納中という異例の設定が注目を集めている。同ゲームのプロデューサー・井上コースケ氏と、開発に携わった担当デザイナーは「これは恋愛モノではない」「見ていて気持ちがいい」と”ハッピーなクズ”の魅力を語った。
「ハッピークズトピア」はイケメンキャラクターが登場するノベルゲーム。主人公(プレーヤー)がビルオーナーの祖父に代わり、家賃を滞納する入居者たちから賃料を取り立てることからストーリーが始まる。
主要キャラとなるビルの住人はホストクラブ勤務で謎の私生活を送る「皇ヒカル」、SNSや動画サイトへの投稿を毎日欠かさない”現代っ子”の「月ヶ瀬らいむ」と、一見、紳士的な雰囲気の会社員「永江翔太」の3名。井上プロデューサーは「人としてクズである、でも悪人ではない」と説明した。
同作は「こんなヤバいやつがいた」などと、発案者たちが恋愛失敗談で盛り上がったことから企画された。井上プロデューサーが「これは恋愛モノではない」と話すように、キャラが愛をささやく場面は登場しない。かわりに、甘い言葉で金銭をねだるようなシーンが出現する。
「直接的に関わりたい人たちではないから、親密ではない状態でクズな男たちの行動を見ているのが一番いい」(井上P)と、「中毒性」があるキャラを俯瞰で楽しむことがコンセプト。プレーヤーの性別を限定する表現もなく、男女ともに”ハッピーなクズ”たちの自己中心的な生活を垣間見る楽しさを感じられるという。
キャラクターの1人「永江翔太」は物語中で複数の女性と同時に交際し、激怒した女性から刺されてしまう。キャラ設定などを担当したデザイナーは「私個人としては、当然の報いという感じで、見ていて気持ちがいいなと思う場面でした」と話し、「『自己中の極み』というようなキャラクターが集まっています」と仕上がりに自信をみせた。