「お金がない」「残高を見るのが怖い」その悩みの名は貧困妄想!解決方法を心療内科で聞いてみた

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経済的に問題がないにもかかわらず、自分は貧しいと感じてしまう心理状態は「貧困妄想」と呼ばれている。自分を不当に責める「罪業妄想」や、自分は病気で助からないと思い込む「心気妄想」と合わせて、うつ病の三大妄想として有名だ。

実は筆者自身も軽度の貧困妄想を抱えており、若いころからお金を使うことに抵抗があったり、残高が減るのが怖かったりして悩まされていた。そこで実際に心療内科を訪れて医師の診断を受け、貧困妄想の理解を深めるとともに改善への道筋を探ることにした。

そもそも貧困妄想とは、十分な収入や貯金があっても「お金がない」「このままでは生活できなくなる」といった不安に囚われる状態を指す。このような思考はストレスや不安から生じることが多く、特に精神的な調子が悪いときに強く現れる。筆者も仕事を失う不安や預金が底をつく恐怖に苛まれた経験がある。調子が良いときはこのような妄想は出てこないが、精神的な疲れやストレスが蓄積されると妄想が始まってしまう。

例えば「この仕事が打ち切られたら、来月からどうしよう」とか「今月の赤字が来月も続いたらいつまで生活できるだろうか」といった不安が頭から離れなくなる。気分は沈み行動力も落ちてしまうため、悪循環に陥るのだ。

心療内科にいざ訪れると、医師の診察の前にまずは丁寧なカウンセリングがおこなわれる。その内容をもとに、医師は筆者の症状についてさらに詳しく聞き取りをしていった。

自分が抱える不安や思考のパターンについて話す中で、医師は「貧困妄想は非常に一般的な症状であり、多くの人が同様の不安を抱えている」と説明してくれた。医師からは、この状態が認知の歪みから生じることが多いと指摘され、「冷静になって現実を見つめ直すことが重要」とアドバイスを受けた。

ただ筆者の場合は仕事ができなくなったり、夜眠れなかったりという具体的な症状がないため、病気というほどではないとのことだった。とはいえこの妄想からは解放されたい。そこで筆者は、医師からの提案もあり定期的なカウンセリングを受診することになった。カウンセリングは回を重ねるごとに、自分の思考パターンの理解が深まっていく。これによって貧困妄想で困る頻度は減ってきているように感じる。

またネガティブなお金に関する情報から距離を置き、ポジティブな情報や信頼できる専門家からのアドバイスを受けることも重要だ。リアルな数字をプロの協力を得ながら見ていけば、妄想で苦しむことは更に減るだろう。

その他、睡眠や食事、運動などの日常生活の基本的な健康管理を見直すことも重要だ。心身ともに良好な状態を保てば、妄想も出てきにくくなるのだ。これらの対策によって、筆者は少しずつ精神の安定を取り戻しつつある。

筆者の場合、貧困妄想はまだ軽度であり、日常生活には大きな支障は出ていない。しかしこの問題に早めに対処できたことで、自分自身のメンタルヘルスについて深く考える機会となった。心の健康を保つためには一人で抱え込まず、適切なサポートを受けることが重要である。

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