新型コロナウイルスワクチンを2回接種し、十分な免疫が確認される一定期間が経過した希望者に対し、最前列席等の座席チケットを販売すると発表した国立能楽堂(東京都渋谷区)について、国立劇場の担当者は4日、よろず~ニュースの取材に応じ、7月中旬に文化庁から最前列席等を販売する提案を受けたと明かした。これまで同席は販売を停止していた。
今回、ワクチン接種者に販売されるのは国立能楽堂の最前列席31席を含めた全38席。これは総座席数627席の約6パーセントにあたる。国立能楽堂が主催する9月の4公演で、観劇当日までに新型コロナウイルスワクチンを2回接種し、十分な免疫が確認される一定期間(ファイザー社製は2回目接種後1週間、武田/モデルナ社製は同・2週間)が経過した希望者に販売される。
国立劇場の担当者によると、同席の販売は、日本芸術文化振興会の発案ではなく7月中旬に文化庁から提案を受け、それに応じる形で実施に至ったものであるという。当該座席は「独立行政法人日本芸術文化振興会新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の基準を満たしているものの販売を見送っていた席で、舞台から最前列席までは「3メートル程度」の距離がある。
対象公演は9月に予定される国立能楽堂主催の4公演。出演者のワクチン接種状況については「接種されている方もいれば、されていない方もいると伺っています」と説明した。
最前列等席の購入者は観劇時に会場で「接種済証」または「接種記録書」と本人確認資料の提示が求められる。当該チケットはインターネットでは販売されず、電話受付と劇場窓口でのみ販売される予定。