思わぬ妊娠に戸惑う17歳少女の旅路とは、『17歳の瞳に映る世界』の本編映像公開

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
映画のフライヤー(c)2020 FOCUS FEATURES, LLC. All Rights Reserved.
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 予期せぬ妊娠に戸惑う17歳少女の旅路とは…。『17歳の瞳に映る世界』(エリザ・ヒットマン監督、7月16日公開)の本編映像が20日、公開された。同作はベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)、サンダンス映画祭2020ネオリアリズム賞受賞をはじめ、世界各国の映画賞をにぎわせている。

 このほど、本編映像の一部がYouTube等で公開された。米国ペンシルバニア州のセンターで妊娠検査を行った結果を見ながら、17歳の学生オータムと職員が静かにやりとりをするシーン。職員が「陽性みたいね」とオータムに語りかけると、「陽性だけど、陰性の可能性はある?」と、妊娠の事実を受け入れられずに質問をする。そのオータムの希望は瞬く間に打ち砕かれ、「ないわ。陽性はあくまでも陽性よ」との答えに険しい表情でうつむき、複雑な表情を浮かべる…。ドラッグストアで容易に手に入る妊娠検査薬による検査。“陽性”のサインに「どうしたらいいのか」と悩む女性の姿は日本でも日常的に繰り広げられる光景だろう。そこに男性の姿がないことも、きっとどの国でも同じ…。17歳という子供と大人の間で揺れ動くオータムが、その人生のなかで大きな事実を知る瞬間から、少女たちの勇敢な旅路が始まる。本作のスタート地点ともいえる映像だ。

 エリザ・ヒットマン監督は、この“妊娠センター”について「医療施設に見えるけれど、免許を持った医師はいなくてあてにはならない」と言う。「実際に話に行くと温かく迎えてくれた。彼女たちは良い人たちだったけれど、情報は限られていてその意図は、(中絶はできず)つながりのある支援先や養子縁組の情報を提供するのみ」だという。当時妊娠中だったエリザ監督は自らそのセンターに行き、妊娠検査を受け、そこにいる女性たちと会話をし「セリフのいくつかは、彼女たちとの会話をそのまま使った」と、同作のリアリティあふれるやりとりの土台となった。

 主役のオータムを演じたシドニー・フラニガンは、本作が長編映画デビューでありながら、等身大の演技が絶賛され、第86回ニューヨーク映画批評家協会主演女優賞、第41回ボストン映画批評家協会主演女優賞など、数々の俳優賞を獲得している。監督のエリザ・ヒットマンは、性的アイデンティティに悩む青年を描いた第二作「ブルックリンの片隅で」(17/Netflix配信)で、2017年サンダンス映画祭監督賞を受賞し、一躍注目を集めた新進気鋭の女性監督。また、『ムーンライト』の監督・脚本のバリー・ジェンキンスをはじめ強力なプロデューサーが製作に名を連ねている。

 【あらすじ】ペンシルベニア州に住むオータムは、愛想がなく、友達も少ない17歳の高校生。ある日、オータムは予期せず妊娠していたことを知る。ペンシルベニア州では未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり唯一の親友スカイラーは、オータムの異変に気づき、ふたりで事態を解決するため、ニューヨークへ向かう…。

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