人気ラッパーのジェイ・Zが自分の写真を無許可で売却したとしてカメラマンを訴えた。ジョナサン・マニオンは、90年代半ばにジェイに雇われ何百枚もの写真を撮影、1996年のデビューアルバム『リーズナブル・ダウト』のスーツ姿にハットを被り葉巻を携えたジェイのモノクロ写真もマニオンによるものだ。
今回ジェイはマニオンに対して撮影料を支払ったものの、それらのイメージを転売することは許可していないとして、訴えを起こしたかたちで、ローリングストーン誌が入手した裁判書にはこう記されている。「ジェイ・Zはマニオンに自分の名前、肖像、アイデンティティ、ペルソナの使用を如何なる目的でも許可していませんでした。肖像を売る法的権利をマニオンは持っていません」
またジェイは、自分の写真を売ることを止めるようマニオンに求めたそうだが、拒否された上、使用を止めて欲しいなら金銭を寄こせと詰め寄られたそうで、「マニオンは現在ジェイ・Zの肖像の使用を止めるのを条件に、ジェイ・Zに何百万ドルを要求しています」と同書は続ける。
更にマニオンは自身のウェブサイトにジェイの写真を堂々と掲載、同サイトで販売中のマニオンが撮影したアーティストの名前が羅列されたTシャツの中にはジェイの名前も見て取れる。アルバムカバーなどのジェイの写真やプリントを高額で販売しているマニオンに対しジェイは、自身のイメージが流用、使用されカリフォルニア州法における肖像権の侵害だと主張、マニオンとその共同経営者らへの差し止め命令並びに損害賠償を要求しているものの、その額に関しては明らかになっていない。