カラテカ矢部「また名作ができちゃった」 大家さんの次はお父さん!新作漫画発売で

山本 鋼平 山本 鋼平
父の絵日記や、少年時の工作と一緒に収まる矢部太郎
父の絵日記や、少年時の工作と一緒に収まる矢部太郎

 絵本作家の父から学んだことがある。「僕から見たら同じ絵を『線が違う』と何枚も描き直していた。こだわりが強くてキリがなかった。僕はデジタルで描いていて補正機能も使います。表紙を決められない時は10枚ほどを渡して、自由にしてくださいと言います。反面教師にしているかもしれません」と語った。その一方で「時事問題は入れない」という信条は受け継いでいる。「作中でファミコンではなくテレビゲームと言っているように、具体的な固有名詞はなるべく使わないようにしました。ノスタルジーを喚起させる作品では、固有名詞をバンバン使ってエモくする手法もあると思います。でも自分より年上や若い人にも読んでもらえるように普遍的なものにしたかった。決してノンフィクションではありません」と説明した。

 父からは「理想の父親みたいだね」と感想を言われ「全然そう描いていないのに…」と思わずうなった。だが果たして、父に続き絵本作家になる野望はあるのだろうか。「この出版不況でも絵本は落ち込みのない分野だと聞くので興味はあります。お父さんのように、何十年も出版され続ける作品がある。シリーズ化できるものを、当てにいきたいですね」。芸人の顔をのぞかせながら、そう話した。

 太郎は活躍しているけど、僕は成長していないなあ

  新潮社は17日、『ぼくのお父さん』出版を受けた、やべみつのり氏の談話を以下の通り発表した。

 親バカですが、よく描けているなと思います。自分で言うのもなんですが、つくづくへんな「お父さん」ですね。高度成長期に「全力でのらないぞ!」という気合いを感じます(笑)。自分の好きなことを、子どもと一緒にやっていたなあと改めて感じました。僕自身が子どもと楽しみながら、生き直していたように思います。子育てをされている皆さん、子育てを楽しんで、子どもから学んでください。子どもはみんなおもしろい!マンガとしても、シンプルななかにポエジーがあって、読者に想像する余地を残していていいなと思いました。幼い息子視点で父親のことを描いたのもユニークなんじゃないかな。お父さんの帽子は、電気スタンドのカサみたいで、ちょっと変だけど(笑)。締め切りを守らず編集者を困らせているところなどは今も変わっていないので、太郎は成長して活躍しているようだけど、僕自身は成長していないなあ

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