プラネタリウム型ドームシアター映像「LOST ISLAND DINO-A-LIVE」の上映実証実験が21日、都内で行われた。恐竜が身近に迫る映像体験を提供。テクノロジーの進化に伴う、新たな価値創造の可能性を提示した。
満天の星空ならぬ、満天のスクリーンに観客は包まれた。360度の空間を包み込むドームビューイング。視界の端から突然登場する恐竜、あえて視線をそらすと、頭上には空に浮かぶ雲や森の木々がある。物理的な空間の奥行きや広がりと、リアルな恐竜が登場するライブショーを展開するON-ART社の仕事が融合。最新カメラやテクノロジーにも支えられた。
同イベントは文化庁が委託する「文化芸術収益力強化事業」の一環として行われ、IMAGICA GROUP、IMAGICA EEX、ロボット、コニカミノルタプラネタリウム、ON-ARTが参加。当日は約1000人の応募者から選ばれた100人が鑑賞した。
IMAGICA GROUPビジネスディベロップメント部副部長、早川正祐氏は「小さいお子さんだけでなく、大人からも楽しめたという声が聞けました。恐竜というのは面白いテーマだと思います」と振り返った。IMAGICA EEX 代表取締役CEO兼CCO、諸石治之氏は「今回は地上が舞台でしたが、空中や海中で恐竜を描けたら面白いでしょうね」と、さらなる進化に期待を寄せた。
現在、国内には300館以上のプラネタリウムがあり、年間総観覧数は830万人以上だという。ドームビューイングに対応できるのは30館程度というが、デジタル化の進展とともにさらなる増館が見込まれる。早川氏は「恐竜は言葉を超える。海外への発信にも適しているのでは」と、夢を膨らませていた。