異色のオーディション番組「THE TOKIWA」否定なし、見栄え求めず、ギスギスなし

山本 鋼平 山本 鋼平
「THE TOKIWA」の番組サムネイル
「THE TOKIWA」の番組サムネイル

 否定しない、見栄えを求めない-異色のオーディション番組が始まる。“次世代のスター漫画家”発掘を目指し、2月27日から開始される「THE TOKIWA」(日本テレビ、土曜・午後1時30分)。優勝者は『クロサギ』『正直不動産』を手がけた原作者・夏原武氏とタッグを組み、電子コミック配信サイト「まんが王国」での連載権を得る。企画演出を担当した吉川真一朗氏に、番組コンセプトを聞いた。

 参加者に試練を与え、競争心をあおり、審査員が精神的圧力を加える-かつての人気番組「ガチンコ!」「¥マネーの虎」のような場面はない。吉川氏は「ギスギスとしたオーディションではありませんし、そもそも漫画は個人作業が多いので、皆さん机に向かって作業をされていて、バトルなんて全く起きません」と笑った。

 合格者とタッグを組む夏原氏が監修、選考を務める。「先生はどこがいいと思ったか足りないと思ったか、丁寧に説明してくださっています」と選考模様を説明。その上で「今回は夏原先生のパートナーを探すオーディションという側面もあるので、実力云々ではなく、相性とかタイミングといった面もあると思います。優勝者は一人かもしれませんが、多くの漫画家に光が当たることをテーマにしています」と続けた。

 番組で取り上げる対象は漫画家。アイドルや歌手、ダンスやスポーツと違って、演出が難しいのではないか。吉川氏は「結論からお伝えすると、歌やダンスやアイドルのような見栄えは、特にないのかもしれません」とキッパリ。それでも、手応えはある。「参加者は“一般的”な方々です。ただ我々スタッフ一同、最終選考進出者の絵を初めて見た時、とてもわくわくしました。キャラクターの表情の豊かさ、タッチの細かさ、そして作品の面白さとバラバラの個性をお持ちですが、描かれる絵が何よりの“見栄え”だと思っています」。漫画本来の力に魅了されたからこそ、過剰な演出は必要なかった。

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