レゲエ界の巨匠ジミー・クリフさんが、24日に81歳で亡くなった。妻ラティファさんが「発作の後に肺炎を患い、家族に見守られながら息を引き取った」と公式フェイスブックやインスタグラムなどのSNSで発表、「世界中のファンの支えが彼の力だった」と感謝を述べ、医療スタッフへの謝意も記されている。
クリフさんは1970年の「ユー・キャン・ゲット・イット」、1969年の「遥かなる河」など数々の名曲で知られ、後者はアニー・レノックスやUB40、シェールらがカバーしている。1985年のアルバム「クリフ・ハンガー」、2012年の「再生~REBIRTH」でグラミー賞を受賞。1993年にはディズニー映画「クール・ランニング」で「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」をカバーし、広く親しまれた。
本名ジェームズ・チェンバースとしてジャマイカに生まれたクリフさんは、歌手としてだけでなく俳優としても活動。1972年の映画「ハーダー・ゼイ・カム」では主演を務め、レゲエを世界的に広める契機となった。さらに1986年の米コメディ映画「クラブ・パラダイス」では俳優のロビン・ウィリアムズさんやピーター・オトゥールさんらと共演した。
2010年にはロックの殿堂入りを果たし、亡くなる時点でジャマイカ政府が芸術・科学分野で授与する最高位勲章「オーダー・オブ・メリット」を保持する唯一のレゲエ音楽家だった。