若者を中心に「テレビ離れ」が進んでいるとされる昨今。その大きな原因として、「YouTube」を中心とした動画サイトの躍進があることは疑いようがない。
そんな中、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」や「浅草橋ヤング洋品店」といった伝説的な人気番組を数多く手がけたテレビプロデューサーのテリー伊藤(71)は、デイリースポーツの取材に対し、テレビとYouTubeは「ライバルではない」と語った。
平成のテレビ界を形作った“巨匠”と言えるテリー。テレビの現状を「他のより強力なメディアがたくさんできている」としつつ、「テレビはテレビで、頑張っていると思う」とした。その上で、テレビとYouTubeの関係を「ライバルというものでもない。視聴者もしたたかだと思うんですよね。例えば、寿司も好きだけどケーキも好き…というのと一緒で、YouTubeも好きだけど、地上波も好き。いろんな食べ物が食べたいように、いろんな映像を見たい人がいる。必ずしもぶつかり合うものはないと思う」と解説した。
テレビとYouTubeの作り手の違いについては「テレビ局員は試験を受け、面接を通して会社に入ってくる。ユーチューバーには何の試験もなく、ある意味ストリートミュージシャンのようなもの」と分析。その上で、ユーチューバーについて「いいなとは思うけど、自分の世界だけでものを作っていくのはやはり限界があると思う」と評した。
一方で、ユーチューバーの良さを「昔だったら、17歳、18歳が何かを作りたいと言っても、『それは社会に出て、会社に入ってから』となっていた。それが今は、その年齢の感性を持った状態でものを作ることができる。すごくいい時代ですよね」と解説。一部ではびこる“迷惑系ユーチューバー”については「あれは論外だよね」と釘を刺しつつ、「既存のコンプライアンスでユーチューバーを縛るのはよくないと思う」と、自由闊達な創作活動には理解を示した。