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寿司の新たな健康価値を発見 外食大手と京大がタッグで研究 食後血糖への好影響を確認

悠々〜ライフ

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
画像はイメージ(BRIDGE/stock.adobe.com)
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 日本人だけでなく、海外でもファンの多いお寿司。和食の代表であり、カラダに良いとも言われる国民食だ。しかし、本当に健康価値があるのか-。牛丼「すき家」や回転寿司「はま寿司」などを展開する株式会社ゼンショーホールディングスはこのほど、京都大とタッグを組み、血糖値の観点から行った研究結果を発表した。

 同社は京都大大学院農学研究科と共同で、「炭水化物とたんぱく質の同時摂取がヒトの食後の血糖値変動に与える影響」というテーマで研究を実施。18~25歳の健常な男女30人(男性16、女性14)を対象に、はま寿司の「寿司12貫」、「すし飯のみ12貫」を食べてもらい、食後の血糖値を測定した。また、すし飯の量が半分になった半シャリ寿司12貫を用いて、寿司種(ネタ)とすし飯を食べる順番が、食後血糖値に与える影響についても測定した。

 その結果、寿司を食べた際は、すし飯のみを食べた場合と比べて食後血糖値の上昇が抑制された。また、炭水化物(すし飯)とたんぱく質(寿司種)の同時摂取、いわゆる「寿司」の状態で食べると、たんぱく質を先に摂取した場合と同程度に食後の血糖値上昇が抑制されたという。野菜や肉を先に食べると血糖値の上昇が抑えられる効果が、寿司でも確認されたかたちだ。研究結果は8月に開催された日本食品科学工学会第72回大会で発表された。

 共同研究を行った同科の林由佳子教授は「最近、血糖値の上昇に配慮した食事の提案をよく耳にします。その理由は血管にあります。血管の内皮細胞の総面積はテニスコート6面分に相当し、体内最大の臓器ともいわれます。そして、高血糖状態が続くと血管の損傷が生じることがあります。血糖値のコントロールに関する話で糖尿病や動脈硬化の名称がよく挙げられるのは、血管がダメージを受けることに関係するからです」と血糖値に注意すべき理由を説明。

 その上で、「サラダから先に食べるベジタブルファーストや肉を先に食べるミートファーストといった食べ方が提唱されています。こうした食べ方には、確かに血糖値上昇が抑えられる効果があります。しかし、日本食ではおかずとご飯を一緒に食べることが多く、寿司やどんぶり、カレーライスはご飯を一緒に食べることを前提としています。果たして、血糖値のコントロールのために寿司のネタだけを先に食べてシャリを後で食べないといけないのでしょうか?今回の実験の結果、答えは『寿司は寿司の形で食べて良し』でした。もう目の前の寿司のネタとシャリを分解することはありません。そのままおいしくいただきましょう」と話す。

 名門大学のお墨付き。寿司は、糖質が気になる人でも、選び方・食べ方次第で楽しめる和食と言えそうだ。

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