子どもも親もまったく余裕がないまま駆け抜ける中学受験生活。特に第1子は親子ともにすべてが初めてで、日々の対応に手一杯となる。そして受験が終わった後に思い返す「もっとこうしていればよかった」「あの時、ああしていれば…」という後悔が生まれる。そこで筆者の長男(現在高校1年生)の中学受験を振り返り、筆者が感じた2つの後悔を見ていこう。
最初の反省点は小学4年生のときに、テキストに載っている全ての問題を解かなければならないと思い込み、キャパオーバーになったことだ。
当時は中学受験の勉強を始めて1年目であり、しかも第1子だったため、筆者も手探りで進めていた。そのため問題を取捨選択してよいという発想がなく、テキストの内容に全て取り組むのが当然だと考えていた。その結果、解いていない問題がどんどん積み上がり、「やらなければならないことが残っている」という感覚が常に頭の片隅にあり、精神的に負担となっていた。
勉強をする本人である長男は、難しい問題にも手を抜かず1つの問題に何十分もかけて取り組んでいたため、相当な負担を感じていたに違いない。今にして思えば、すべてを完璧にこなすよりもテキストのなかから重要な単元を見極めて、必要に応じて問題を間引く判断ができていれば余裕をもって効率的に勉強を進められていただろう。
次の反省点は、国語の文法を軽視したことだ。筆者は中学受験では「文法はあまり出題されないだろう」と考え、最低限の確認だけしか学習させないようにしていた。そして受験本番でも、長男が受験した中学校では文法そのものを問われる問題はなく、中学受験を終えた時点では、文法をおろそかにしたデメリットを感じることはなかった。
だが、中学入学後に後悔する事態が発生した。中学校に通い始めてしばらく経ったある日、長男から国語の授業に対して「まわりの生徒が理解している内容が、自分には分からず苦労している」と相談してきたのだ。その後、文法について家庭学習に注力したことによって解決したが、長男に苦労をさせてしまったことを深く反省している。
現在、次男(小学5年生)が受験勉強の真っ最中のため、この2つの失敗を繰り返さないように勉強を進めている。もし中学受験を考えているご家庭でもぜひ参考にしてほしい。
◆野田茜(のだ・あかね)2男1女のママライター
2022年に長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。