デヴィッド・フィンチャー監督が、クエンティン・タランティーノ氏によるオリジナル脚本「ザ・ファーザー・ミスアドベンチャー・オブ・クリフ・ブース」から60ページ分をカットしていたことが分かった。
「ファイト・クラブ」の監督フィンチャーは、俳優ブラッド・ピットが再び主役を演じる「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の続編でメガホンを取ることになっており、タランティーノ氏の脚本をスリム化するためにいくつかの変更を加えたそうだ。
エンパイア誌によるタランティーノ氏との合同インタビューで、フィンチャー監督は「最初に読んだ初稿は230ページあった。実質的に2本分の映画のボリュームだった」と語っている。フィンチャー監督は60ページを削減し、完成版の映画は約2時間20分ほどの長さに収まることになった。
さらに、フィンチャー監督は「その中には、ブラッドがやりたいこと、自分がやりたいこと、クエンティンがやりたいことのベン図(共通点と相違点を円の重なりで表す図)があった。『やりたいこと』というよりは、焦点を当てる領域のことだ」と続けた。
タランティーノ氏に指名されて監督を引き受けたフィンチャー氏にとって、最も興味を惹かれたのは「焚き火を囲むような物語というアイデア」だったそうで「プロットというよりも、1977年のハリウッドの裏路地で登場人物たちがどのように交錯していくかを描くことが主眼だった」と説明している。
一方のタランティーノ氏は異なる見解を示している。「これをいわゆる『たまり場映画』とはまったく考えていない。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はたまり場映画だったが、チャールズ・マンソンの殺人事件現場に向かうという確かな軸があった。強力な引力があるため、多くのプロットは必要なかった」「今回の脚本はまったく異なる。自分にとってはエルモア・レナードのペーパーバックのような、クライムストーリーのテイストがあった」
以前、タランティーノ氏は10作目にして最後となる映画の製作において、過去のキャラクターを再び掘り下げることには関心がなかったと説明しており、「最後の作品では自分が何をしているのか分からない状態に戻らなければならない。未知の領域に身を置く必要がある」と語っていた。一方で、自身が敬意を払うフィンチャー監督がブラッド主演で映像化に意欲を示したことに対しては高い評価を示した。