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英検は中学受験の足かせ?試験に出ないならやめさせるべき?→どのように扱うべきなの?【中学受験講師が解説】

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Aさんの息子は小学5年生で、来年度に中学受験を控えている。英語が好きな息子は、低学年から英検の勉強に取り組んできた。そのかいもあって、すでに4級を取得し今は3級を目指している。ところが、通っている塾の中学受験コースを見渡すと、英検の勉強を続けているのは息子だけだった。

さらに、塾で知り合ったママ友には「英語は試験に出ないから、英検の勉強はやめさせたほうがいい」と言われた。以前、受験と英検を同時にこなそうとした家庭があったが、子どもの負担が大きく受験もうまくいかなかったという。

一方で、英検の級に応じて入試の点数を加算してくれる学校もあると聞いたことがある。さまざまな情報が交錯することでAさんは「英検の勉強はやめたほうがいいのか続けたほうがいいのか、いったいどっちなの?」と頭を抱えてしまう。

では実際に、このように中学受験を控えている家庭は、英検の勉強をどのように扱うべきなのだろうか。中学受験講師の青山雄一さんに話を聞いた。

英検は期限を決めた短期プロジェクト

ー志望校が英検の級に応じて入試の点数を加算をおこなっているかは、どうやって調べれば良いでしょうか?

学校名ではなく受験する入試方式ごとに、その年度の募集要項で確認します。PDFで「英検」「英語資格」を検索し、出願資格・配点・提出書類の欄に記載があるかを見てみてください。

同じ学校でも一般の4科入試では使えず、英語資格入試だけで使える例があります。入試制度は年々変化するため、塾などでこまめに最新情報をもらうことも大切です。

たとえば、2027年度の開成や桜蔭の一般入試は、英検の利用記載がありません。一方、成蹊など、英検のみなし得点と国語・算数の点数を合計する別枠の方式を持つ学校もありますが、定員は若干名や1回10名と、非常に狭き門です。

さらに、3級からみなし得点を与える学校の場合、3級でもらえるのはあくまで最低限の点数です。準2級以上を持っているライバルにはさらに高い得点が与えられます。つまり、3級で勝負する場合、上位級の生徒との「みなし得点の差」を、当日の国語・算数の点数で挽回しなければなりません。

また、英検の級に応じて一般入試の得点に加算する学校もありますが、加点は数点にとどまり、算数1問分より小さいこともあるのが現実です。そのため、「英検さえ持っていれば有利になる」と過信するのは危険です。

ー英検利用入試の実態や、受けるにあたっての注意点を教えてください。

まず、英検利用入試は一般入試とは別枠であることが多く、定員も少ないため、英検利用者の中での激しい争いになります。

近年注意が必要なのは、帰国生入試の資格要件が以前より厳格化されていることです。以前であれば帰国生として受験できたような、英語が非常に堪能な生徒が資格外となり、一般の英検利用入試に流れてくるケースが少なくありません。そうした生徒たちと争う可能性が高いのです。

そのため、入試で本当にアドバンテージを得たいのであれば、できれば2級、最低でも準2級が必要になってきます。

また、英検利用入試は現在でも少数派です。第一志望校が明確に決まっていて、そこだけを狙うというのであればともかく、そうでなければ志望校の選択肢が大きく限られてしまいます。

私の経験上、「国語や算数の点数が足りないから」という理由で英検利用入試を受験した生徒は、あまりいい結果が出ないことが多いです。これらを総合して考えると、英検3級程度の武器であれば、国語・算数など基本科目の点数をしっかり伸ばすことが必要不可欠といえます。

ー6年生になって4科目の勉強が本格化したら、英検の勉強はやめたほうがいいですか?

英検を使う学校を狙うなら、5年生のうちに3級を取るのが現実的です。6年生になると、新しい級を目指す本格的な対策はストップして構いません。ただし、子どもが英語を楽しみ喜んで学習しているならば、週に1時間程度でもいいので息抜きとして学習を続けていいと思います。

英検の学習は、中学進学後にとても役に立ちますし、何より合格という成功体験は子どもに自信や自己肯定感を持たせられる素晴らしい機会でもあります。一方で、万が一中学入試で不合格になった時に「あの時、英検の勉強に時間を割いていなければ…」といった反省が出る例が少なくない点は見逃せません。

英検の学習を続けたことに対して親子ともに悔いが残らないかどうかの見極めが大切です。英検は期限を決めた短期プロジェクトと考えつつ、受験とのバランスと子どもの気持ちを尊重して決断してください。

◆青山雄一(あおやま・ゆういち) 中学受験講師
オンライン・完全個別指導塾「Soleado(ソレアド)」を運営。大学卒業後、塾や私立学校で長年指導を続ける。塾が近くにない地域の子どもたちが、自宅から志望校を目指せる環境づくりに取り組んでいる。
▽オンライン学習塾Soleadoホームページ
https://kakomonselect.com/

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