愛する人と一緒に食事をすることは、食事の時間を楽しくするだけでなく、体が血糖値をコントロールするのにも役立つ可能性があることが新たな研究で示された。決められた炭水化物中心の食事をパートナーと一緒にとった人は1人で食べた人に比べて血糖値の急上昇が小さく、正常値に戻るのも早かった。
エルサレム・ヘブライ大学の研究チームが主導し、学術誌サイエンス・アドバンシズに掲載された同研究は、この効果が「社会生理学」で説明できる可能性を示している。この理論では人は大切な人の近くにいるときの方が体をより効率的に調節できると考えられている。
研究の筆頭著者であるシル・アツィル氏は次のように述べている。「これまで私たちは体を自らを調節する独立したシステムだと考えていました。しかし、今回の結果は人間の生理機能が本質的に社会的なものであることを示しています。愛する人のそばにいると、体が自らを調節するのに使う物理的なエネルギーが少なくて済むのです」
効果は血糖値以外にも及ぶとみられる。研究チームは人のそばにいることで寒さにさらされた際の体温調節能力も向上し、大人と乳児の両方でストレス反応が軽減されたことを確認した。
重要なのは互いに触れ合っていなくても効果がみられた点で、研究チームはストレスの軽減だけではこの結果を説明できないとしている。
今回の結果は人とのつながりと血糖値の調節改善を結びつけた過去の研究を裏付けるものとなった。2023年に英医学誌BMJに掲載された研究では、パートナーと暮らす50歳以上の成人は関係が円満かどうかにかかわらず、1人暮らしの人より平均血糖値が低いことが分かっている。