akiya_b

創刊80周年の伝説女性誌を手がけた著名デザイナー・中原淳一の作品集が出版 没後43年、貴重な挿画を発掘

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
9月の新刊として出版された「それいゆ創刊80周年 Blanc et Noir 中原淳一イラストレーションズ」の表紙
9月の新刊として出版された「それいゆ創刊80周年 Blanc et Noir 中原淳一イラストレーションズ」の表紙

 終戦翌年の1946年に創刊された伝説の女性向け雑誌「それいゆ」の創刊80周年を記念し、創刊者である画家・デザイナーの中原淳一(1983年死去、享年70)が手がけた貴重なモノクロ線画や美しいイラストレーションを集めた作品集「Blanc et Noir 中原淳一イラストレーションズ」(玄光社、税込3960円)が9月に発売された。(文中敬称略)

 「それいゆ」の表紙や挿画は中原自らが描き、その内訳は服飾ファッション、ヘアスタイル、インテリア、小物の作り方手順、小説の挿絵まで多岐にわたった。ペンによる線描は少女漫画にも通じる流麗で繊細な味わいがあり、中原の没後に刊行された関連書籍に一度も掲載されたことがない挿画が数千点存在しているという。

 新刊タイトルの「Blanc et Noir」はフランス語で「白と黒」を意味し、文字通り、掲載作品の多くがモノクロの線画で、その魅力を味わえる。収録作品の大半が単行本初掲載となり、経年変化による傷みや汚れも原画の“手触り”としてそのまま掲載されている。

 中原作品を愛するクリエイターたちも同書に寄稿。イラストレーターの宇野亜喜良は「宝塚的にデフォルメされたヨーロッパテイスト」と指摘し、マツオヒロミは「まだまだ深掘りしたい、学びたい、偉大な存在」とリスペクトした。中原ファンの漫画家・羽海野チカは帯に推薦文を寄せた。

 1946年8月の創刊から、季刊や隔月刊として発行され、60年秋の号(通算63号)まで続いた「それいゆ」について、出版担当者は「戦後の物資の乏しい時代において、若い女性に向けて『美しく生きる』ための提案を行い、希望の光を当てる文字通り太陽のような雑誌でした」と解説。さらに、「中原淳一といえば、マルチな活動ぶりがクローズアップされがちですが、本書は彼の活動の原点である画家・イラストレーターとしての魅力を改めて掘り下げ、再発見する一冊となるでしょう」と補足した。日本の戦後カルチャーを振り返る意味で貴重な一冊となりそうだ。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース