30代会社員のAさんは、旅行先のコンビニエンスストアで「サントリー天然水」を購入した。その際、普段見かける「南アルプス」ではなく、「奥大山」と書かれていることに気づく。
一緒に旅行に来ていた友人のBさんにその話をすると、「サントリー天然水には4つの水源があるみたい」と、SNSで話題になっていた投稿を教えてくれた。その投稿によると「南アルプス」「北アルプス」「阿蘇」「奥大山」の4つがあり、地域によって商品の水源が異なるほか、ラベルに描かれた鳥や花にも違いがあるらしい。
このように4種類の名前やラベルが存在するのはなぜだろうか。サントリービバレッジ&フードの担当者に聞いた。
水源地ごとに、硬度や味わいにはそれぞれ個性がある
ー「サントリー天然水」には「南アルプス」「北アルプス」「奥大山」「阿蘇」の4つの採水地があります。それぞれの天然水には、どのような特徴や違いがあるのでしょうか。
「サントリー天然水」は、いずれの水源においても、山々に降った雨や雪が長い年月をかけて地下深くにしみ込み、地層を通る中で自然に磨かれた天然水です。
一方で、水源地ごとの地質や自然環境の違いにより、硬度や味わいにはそれぞれ個性があります。
南アルプスは、花崗岩の山々で育まれた天然水です。花崗岩は水を通しやすく、地下水を育む力が大きい一方、白州断層などの影響により地下の水の流れが複雑です。
硬度は約30で、まろやかさと、キレのある味わいが特徴です。
北アルプスも南アルプスと同じく花崗岩の山で育まれていますが、南アルプスに比べて岩石中のカルシウムやマグネシウムがわずかに少なく、断層も比較的少ないため、溶け出すミネラルが少ないと考えられています。
硬度は約10で、4水源の中でも特にやわらかく、やや甘さがあり、クリアな味わいが特徴です。
奥大山は、冬に2〜3メートルもの雪が積もる豪雪地帯で育まれた天然水です。烏ヶ山に降った雨や雪が、火山活動によって形成された地層を通り、約20年の歳月をかけて地下深くまでたどり着きます。
硬度は約20で、口当たり良く、さっぱりとした味わいが特徴です。
阿蘇は、阿蘇山の火山活動によって形成された火砕流や溶岩の地層で育まれた天然水です。
岩石の中を流れるうちにミネラルを適度に含むため、硬度は約80と4水源の中では最も高く、ふくらみのある口当たりで、心地よい余韻のある味わいが特徴です。
ー採水地ごとに描かれている鳥や花には、どのような意味やこだわりがあるのでしょうか。
「サントリー天然水」のラベルには、各水源の山々に加え、その地に生息する鳥や植物を描いています。
具体的には、阿蘇の背景は阿蘇山、青い鳥はオオルリ、黄色い花はユウスゲ、奥大山の背景は大山、青い鳥はオオルリ、黄色い花はダイセンキスミレ、南アルプスの背景は甲斐駒ヶ岳、青い鳥はルリビタキ、黄色い花はフクジュソウ、北アルプスの背景は餓鬼岳を中心に鷹狩山から望む北アルプス連峰、青い鳥はオオルリ、黄色い花はシナノキンバイを描いています。
ー地域によっては異なる採水地の商品が同時に販売されるケースもあるのでしょうか。
はい、同じ地域や店舗で、異なる水源の「サントリー天然水」が販売される場合があります。
地域によっては近くの水源の商品が多く流通する場合がありますが、水源ごとに販売エリアを明確に区切っているものではありません。
平時はもちろん、災害などの不測の事態が発生した際にも安定して商品をお届けできるよう、需要や物流状況に応じて、複数の水源の商品を柔軟に流通させることがあります。
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