1971年にスタートした特撮ドラマ「仮面ライダー」で⼈気を博した元俳優が初の著書「千葉治郎 変身しなかった男の物語」(立東舎)を9月25日に出版することが9日、分かった。数々のドラマや映画で活躍し、82年の引退後は会社経営を経て「⽊こり」に転⾝。現在は千葉県内で児童向けアウトドア体験施設を企画・運営する前⽥満穂氏(77)が本名で波乱万丈の半生、国際的なスター俳優で兄の千葉真一さん(2021年死去、享年82、本名・前田禎穂)との「複雑で特殊な関係」などを記した注目の一冊となる。
1949年、千葉県君津市⽣まれ。69年に千葉治郎の芸名で俳優デビューし、71年には「仮⾯ライダー」で主役の本郷猛を演じた藤岡弘(現・弘、)の負傷休養により、オートレーサー兼FBI特命捜査官の「滝和也」役で登場。悪の秘密結社ショッカーを相手に戦い、変身しない生身の人間として奮闘する姿が当時の子どもたちに支持された。
その後も「ロボット刑事」(73年)、「アクマイザー3」(75~76年)といった特撮テレビ作品に出演。東映では「激突!合気道」(75年)で初主演し、76年公開の「ラグビー野郎」で自身が演じた主人公の名「矢吹二朗」に改名した。その後も東映で松方弘樹さんの子分役を好演した「北陸代理戦争」(77年)、東宝では三浦友和と共演した「青年の樹」(77年)、巨匠・黒澤明監督の「影武者」(80年)など数多くの作品に出演した。
だが、82年に芸能界を引退し、表舞台からひっそりと姿を消した。兄・真一さんを支える裏方として会社を経営した後、兄と離別し、故郷の千葉に戻って“⽊こり”として働き、森林整備、⾥⼭再⽣などの事業に携わった。2008年にNPO法⼈「森林デザイン研究所」を設⽴。11年に千葉・袖ケ浦の「東京ドイツ村」内に「ジージの森」をオープンし、滑り台など遊具の全てを自ら手がけ、「ジージ」(おじいさん)が子どもたちに自然の中での遊びを伝える…という活動を続けている。
そして、喜寿を迎えた今年、長い沈黙を破った。自伝では、生い立ちや人生に大きな影響を残した“兄貴”のこと、俳優⼈⽣を貴重な写真とともに綴り、引退後の⾃然を相⼿にした⽣活にも言及。さらに、仮面ライダー2号の一文字隼人役を演じた盟友・佐々⽊剛(79)との「仮面ライダー伝説55年目の真実」と題した特別対談も収録されている。
同書では「ガムシャラに過ごした『仮面ライダー』の時代は自分の誇りです」と思いを吐露。その「千葉治郎」として、9月27⽇には東京・九段下の科学技術館で開催されるイベント「スーパーフェスティバル95」でトークショー&サイン会を行う。