俳優のダックス・シェパードは、2月に亡くなった「グレイズ・アナトミー」「ユーフォリア/EUPHORIA」などで知られる俳優のエリック・デインさんと初めて会った際、エリックを「嫌っていた」そうだ。かつてはアルコール依存症匿名会(AA)の集会の外で「殴り合い」をしたこともあるという。
二人の出会いは、依存症からの回復を目指す過程に遡る。第一印象は最悪で、ダックスはエリックを「いじめっ子」だと感じていた。二人の間に渦巻く嫌悪感は、ついにAA会場の駐車場で爆発することになる。
ピープル誌によると、アンダーソン・クーパーとの対談に応じたダックスは、当時の険悪な空気を振り返った。きっかけは、エリックがミーティングの若いメンバーを脅しているとダックスが感じたことだった。苛立ちが頂点に達したダックスは、ついに「表へ出ろ」と促し、決着をつける道を選んだ。
駐車場での殴り合いは、他の参加者が割って入らなければ止まらないほど激しいものだった。しかし、この最悪の衝突こそが、後に二人が唯一無二の親友となる奇妙な転換点となった。
俳優や映画監督として活躍する傍ら、自身のポッドキャスト番組で依存症の経験をオープンに語ってきたダックスだが、時が経つにつれエリックの中に自分と同じ傷を見出すようになる。エリックが幼少期に父親を自殺で亡くした背景、そして「泣かない」という誓いを胸に、男としての承認を渇望し続けてきた孤独を知ったとき、かつての憎しみは深い共感へと変わっていった。
二人はやがて、ミーティングで互いを支え合う無二の親友となった。後に「ユーフォリア/EUPHORIA」などで名優として知られるようになるエリックだが、ダックスは彼が語る壮絶な体験談に誰よりも感動し、二人の絆は不動のものとなった。
ダックスは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)との闘病の末、2026年2月に亡くなった友人を称賛。「自らの肉体に執着していた人間が、体が衰えていく現実を晒し、病の象徴となることを受け入れた。それは、エリックが追い求めてきた男らしさの中で、間違いなく最も勇敢な行動だった」と、亡き友への深い愛を表明した。
ダックスの妻は「ヴェロニカ・マーズ」「ゴシップガール」、映画『アナと雪の女王」のアナの声優としても知られるクリティティン・ベル。ダックスとの間に二人の娘がいる。