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“脱がされた”被害続出→生成AIで実在の人物を無断加工…法的な問題と対応策とは【弁護士が解説】

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実在の人物の写真をAIで無断加工し、性的な画像を生成・投稿する行為が相次いでいる。コスプレイヤーのAさん(20代女性)は、自身が投稿した写真が生成AIを使って「水着にして」「ビキニにして」といった指示により加工され、性的な画像として拡散されていることを知った。

Aさんは「実在の自分の顔のまま、勝手に性的な姿を作られるのは強い恐怖を感じる」と訴えている。AIによる無断画像生成は、法的に問題ないのだろうか。Authense法律事務所の星野 有紀さんに話を聞いた。

ー実在の人物の写真をAIで無断加工し、性的な画像を生成・投稿する行為は、法的にどのような問題がありますか。

いわゆる性的ディープフェイクは、民事上で肖像権の侵害や名誉毀損にあたると考えられています。また刑事上でも、名誉棄損罪やわいせつ物頒布等罪などに該当します。要は、れっきとした犯罪です。

それにもかかわらず、SNS上では匿名で誰でも簡単にできてしまうため、加害のハードルが極めて低い点が、大きな問題です。

ーAIを提供するプラットフォーム側について、責任が生じる場合はあるのでしょうか。

AI加工された性的な画像に対する削除要請等を放置すると、プラットフォーム側に責任が生じるという考え方が増えてきています。

実際に、令和7年5月にアメリカで「Take It Down」法案が可決されました。これにより、性的な画像(AI加工されたものを含む)がSNSに投稿された場合、プラットフォーム側は、48時間以内に削除することが義務付けられました。

ーもしこのような被害に遭った場合、現実的に取り得る対応策を教えてください。

まずは、プラットフォーム独自に設けている削除要請フォームや画像削除支援システムに対し、速やかに削除依頼をかけましょう。利用できる画像削除支援システムは、画像や動画が撮影された年齢によって異なります。18歳以上の場合は「StopNCII」、18歳未満の場合は「Take It Down」というツールが利用可能です。

プラットフォーム側が削除に応じない場合は、裁判での削除請求をする必要があります。また、投稿者を特定するには発信者情報開示請求が必要です。

これらの手続きには専門的な対応が必要なため、もしも被害に遭った場合には、速やかに弁護士に相談してください。

ー今後、同様の被害を防ぐためにどのような制度や対策が必要でしょうか。

プラットフォーム側の規制をより強化していくべきです。自分でできる対策としては、自分の裸を含むセンシティブな画像は、相手が誰であっても絶対に送らないこと、顔写真であっても、特にSNS上には無暗矢鱈に投稿しないことを意識してほしいと思います。

万が一、自分に関する嫌な投稿がされているのを見つけたら、早めに弁護士に相談し、今後のアドバイスをもらいましょう。困ったときのための弁護士ですから、ためらわないでほしいと思います。

◆星野 有紀(ほしの・あき) 弁護士/Authense法律事務所
自衛隊中央病院高等看護学院に入隊後、理不尽な状況に苦しむ人を支えたいとの思いから弁護士を志す。現在は「街のかかりつけ医」のような弁護士を目指し、性的被害を含むインターネット上の誹謗中傷や少年事件などの刑事弁護に、全力で注力。東海道約500kmを徒歩で踏破した経験のように、依頼者と一歩ずつ向き合い、最善の解決まで伴走している。

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