1973年からネッシーの目撃情報を調査し始めた自然科学者エイドリアン・シャイン氏(76)は、1987年に100万ポンド(約2億1300万円)以上の機器を投入した大規模なソナー調査をスコットランドのネス湖で主導した。
数十年にわたる努力にもかかわらず、確固たる証拠は一切発見できなかったとシャイン氏は語る。また自身の信念が揺らいだ瞬間として、怪物のこぶのように見えたものを発見したと思ったものの、実は岩だったと気づいたそうで、それ以来、ほとんどの目撃情報には平凡な真実があると確信するようになったという。「目撃情報は船の航跡が原因です。ここでは複数のこぶを持つ形状が作られており、人々がよく目撃するのはそれだ」と語った。
カレドニア運河を通過する船舶や交通量が、特に光量が少ない状況で不気味な生物のように見える波紋を生み出すとシャイン氏は信じており、かの有名な「長い首」を含むネッシーの特徴も、平凡な現象で説明できるという。例えば多くの目撃者が水面から浮かび上がる首と描写するものは、往々にして錯覚だとシャイン氏は主張。穏やかな状況下では、湖面に集まる鳥たちが一列に並び、単一の動く形状のように見えることもあると続けた。
そして生物学的にもネス湖の低温と限られた魚の資源では、巨大な未知の生物が何世紀にもわたり発見されずに生き延びることは困難だという。
しかし、ネッシー発見に生涯をかけたことに後悔はないとシャイン氏は語る。探索そのものが非常に楽しく、ネッシーの存在を完全に否定しているわけでもないそうだ。「私は非常に楽しみました。新たな証拠が発見されれば素晴らしいことです」