多くの人が知っているであろう童謡に『やぎさんゆうびん』というものがある。しろやぎさんが送った手紙をくろやぎさんが読まずに食べた話だ。童謡は微笑ましいエピソードとして描かれているが、4コマ漫画家のモノモリさんが描いた作品『くろやぎさん』はシュールなギャグとして描かれ、SNS上で注目を集めている。
ストーリー冒頭で、ポストに届いた手紙を満面の笑みでムシャムシャと食べているくろやぎさん。悪気はなかったのか、しろやぎさんに「さっきの手紙のご用事なあに」と手紙を書く。
くろやぎさんからの手紙を受けとったしろやぎさんは、手紙を眺めながら「くろやぎさんからだ。やれやれまたか...」とうんざりしている様子だ。そして最後のコマで描かれているしろやぎさんが書く手紙の内容は、「貸した金返せ」というものだった。
笑顔だったくろやぎさんとは対照的に真顔で手紙を書くしろやぎさんに、これまでも何度もこのやり取りがあったのではと考えさせられる。同作のコメント欄には、「くろやぎさんわざとだろw」「内容証明郵便にしないと...」など、多くのツッコミの声があがっている。そこで作者のモノモリさんに、同作について話を聞いた。
ー何か参考にされているものはあるのでしょうか?
特定の漫画家を「お手本」として参考にしているわけではなく、日常の中に転がっている“言葉の違和感”を拾うことが多いです。例えばニュースの見出しや、街の看板、SNSで流れてくるフレーズなどを見て「ん?」と引っかかった瞬間にネタの種が生まれます。また昔から国語辞典や漢字辞典を眺めるのが好きなので、そういう言葉遊び的な発想が土台になっているのかもしれません。
ー作品を描く際に気にかけていることがありますか?
SNSで気軽に読んでもらえるよう読者がちょっと肩の力を抜けるようなオチを意識しています。4コマなのでなるべく一コマ目で興味を引き、最後に“言葉の裏返し”で落とすことを大事にしています。あとは「自分が面白いかどうか」描いている自分がニヤっとしてなければ読者も笑わないと思うので。
ー最後に読者に一言お願いします!
いつも読んでくださってありがとうございます。「あ、こんな視点もあるんだ」と一緒にニヤけてもらえたらうれしいです。「くだらないことを真面目に描く」スタンスで続けていきますので、気楽にのぞきに来てください。
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