葬儀方式が多様化する中、自宅供養をするケースも増えている。お墓業界唯一の経済産業省公認団体「全国石製品協同組合」はこのほど、全国40代以上の男女500人を対象に、遺骨を自宅へ安置することについてのアンケートを実施、結果を公表した。
遺骨を自宅に置くことについて、「とても良い」「まあ良い」を合わせた肯定的な回答は44.8%、「あまり」「まったく」を合わせた「良く思わない」が55.2%で、否定的な回答が半数を上回った。
肯定的に捉える回答では「故人を身近に感じられ、心の支えになる日常的に供養や祈りができる」「墓参りに行きづらい環境を補う方法として有効分骨や一部を置くことに理解が広がっている」といった意見が挙がり、否定的に思う回答では「精神的に気持ちの整理がつきにくい」「家に置いておくことに抵抗や怖さを感じる人もいる」「スペースや次世代への継承負担が懸念」などの声が寄せられた。
現在、遺骨を自宅に安置している回答は9.6%(48人)で、場所は「仏壇(50.0%)」が最多。「専用の供養棚・供養スペース(16.7%)」「和室(10.4%)」などが続いた。
自宅に置きたい理由では、「故人を身近に感じたい」が54.2%と一番多く、「納骨堂(合祀墓)へ入れるのがはばかられる(16.7%)」「お墓を持ちたくない(8.3%)」「お墓を買いたくても買えない(6.3%)」と続いた。
自宅供養の際にかける費用では、「5万円以下」が40.3%で最も多く、「1万円未満(19.9%)」「お金をかけたくない(17.6%)」と続いた。
半数を割ったものの、自宅供養に関心を持つ人は多く、お墓に比べて格段に安い点は魅力。今後は供養の多様性を前提に、家族構成やライフスタイルに応じた選択肢が求められるだろう。