俳優トム・クルーズが、米国の音楽や舞台芸術などで貢献した人に贈られる「ケネディ・センター名誉賞」の受賞を辞退していたことが明らかになった。この権威ある賞のオファーを受けたものの、スケジュールの都合により辞退したと、複数のケネディ・センターの現・元職員が「ワシントン・ポスト」紙に匿名で語っている。
ドナルド・トランプ大統領は13日、12月に開催される式典で、ロックバンドKISS、舞台俳優マイケル・クロフォード、ヒット曲「恋のサバイバル」で知られるディスコ界のレジェンドのグロリア・ゲイナー、カントリーミュージシャンのジョージ・ストレイト、そして俳優シルベスター・スタローンに同賞が授与されることを発表した。
スタローンは今年5月、トランプ氏に税制優遇などを求めるハリウッドの労働組合や映画業界の代表が送った書簡に署名したことがあった。長年のトランプ大統領支持者である俳優のジョン・ヴォイトと共にトランプ政権から「特使」に任命されるなどの“接点”があった。
トランプ氏はケネディ・センターのホール・オブ・ネイションズで受賞者を発表し、ベルベットで覆われた5枚の肖像画を披露した。「私はずっと待ち続けて、こう言ったんだ。『もういい加減にして、会長になって自分に栄誉を与えよう…来年はトランプを称えよう、いいかい?』」とコメント。自身も受賞を狙っていたことを明かした。受賞者の選定に「深く関与」したとし、個人的に賛同できない提案はいくつか却下したという。「以前は意識高い系が何人かいたが、今は素晴らしい人々が揃っている。以前とはまったく違う」と語った。式典は12月7日に開催され、大統領自身が司会を務める予定だ。
一方、トムはこの栄誉を辞退したものの、11月16日に開催される映画芸術アカデミーの2025年ガバナーズ・アワードにて、名誉アカデミー賞を授与される予定となっている。