漫画「金色のガッシュ!!」などで知られる人気漫画家の雷句誠氏(50)が5日、自身のX(旧ツイッター)を更新。元日にSNSで投稿したイラストに対して、「旭日旗が含まれている」と韓国ファンが抗議してきたことについて反応した。
雷句氏は1月1日に「あけましておめでとうございます。」と題して、代表作の「ガッシュ!!」のキャラが描かれた年賀状イラストを公開。それに対して、「自分が描いた年賀状の背景が旭日旗を表現しているように見えるから、謝罪と絵の削除を求める声明文が来ました」と抗議があった事を明かした。
雷句氏が添付した、相手からの抗議と思われる投稿では「[声明文]雷句誠作家が、自身の創作行為に対する責任を持ち、正しい行動を示されることを願っています。-金色のガッシュ韓国ファン一同-」と書き出し、「旭日旗を連想させる背景を公開する行為は、戦争や侵略のイメージを広め、否定的な影響を与える危険性があります」などと抗議。雷句氏に対して「イラストの削除、謝罪釈明」「作品の撤回及び修正」「歴史的事実に対する再学習」を求めると、「韓国ファン一同」名義で発表した。
雷句氏はこの声明に対して「最初にお伝えすることは、この年賀状のイラストは日本の読者に向けて、おめでたい雰囲気の年賀状を届けたくて描いた。ということです。韓国の方々に不快感を与えるために描いたのではありません。ハッキリと言っておきます。」と他意は無いことを断言。削除要請に対しては「もちろん旭日旗に関する表現はこれからも注意いたしますが、今回の謝罪や絵の削除といった要求には応じられません。という結論です。」と記した。
またその理由について「この声明文の要求を受け入れ、絵を削除したならば、世界中で絵を描く人たち全てがこの日の出の表現が描けなくなります。長い時間をかけて作った絵も、韓国の方の一言で、削除しなければいけなくなります。」と自分以外の作家の自由な表現にも考慮したことを追記。日の出のフリーイラストを示し、正月では一般的な表現であることを説明した上で「『萎縮』の種を作ると表現ができなくなると言いますが、まさにそれの種になるのではないでしょうか?このように私一人の問題ではなくなってしまいます。」と憂慮した。
この説明を見た上でも今後も抗議が続くようであれば、法的処置なども考えていることを公表。韓国での「ガッシュ!!」出版社にも問題ないことを確認するとした上で、「もし、韓国の出版社から見てもこのイラストの削除の要請が出たならば、もう韓国での出版は怖くてできません。」と記した。
雷句氏は2001年から「金色のガッシュ!!」を連載開始。現在は電子版で、続編となる「金色のガッシュ!!2」を連載している。代表作は「金色のガッシュ!!」「どうぶつの国」。