赤ちゃんが「やっと眠ってくれた…」と思った矢先、突然身体がビクッとなり泣き出してしまう、そんな“モロー反射”に悩まされた経験を持つ親は多いだろう。Xで育児の日常を描いているダルダルのダル子さんが、この“モロー反射”に関する実体験を描いた投稿が話題となっている。
主人公は生後まもない新生児の赤ちゃん「ワッパちゃん」。ようやく寝かしつけが終わりホッとしたのも束の間、突如「ビクッ!」と体が跳ねるような動きをして泣き出してしまう。音のしない静かな環境でも突然起こり、特に夕方になると頻繁に繰り返されるのだとか。
ワッパちゃんのモロー反射は一度起きると「ビクビクビクッ!」と連続的に反応し、パニック顔になるほど。それでも手を握ってあげるとすぐに落ち着く様子も見られた。生後1カ月半を過ぎた頃から、少しずつ症状も和らいできたと話している。
では、この“モロー反射”とは一体何なのか?助産師の錦織茉央さんに話を聞いた。
―モロー反射が強く出る子と、そうでない子がいるのはなぜでしょうか?これは個人差なのでしょうか?
モロー反射の強さには個人差があります。主に神経系の発達の度合いや筋緊張の強さが関係していると考えられています。特に筋緊張が強いお子さんの場合は、モロー反射も強く出やすい傾向がありますね。
また、生活環境や育児環境によっても反射の出方に差が出ることがあります。リラックスできるような安心感のある環境では、反射が起きにくくなることもあります。
ー 「モロー反射が強い」と感じたときの対処法はありますか?
モロー反射は、頭が急に下がった時や大きい物音などでびっくりして反射が起こるので、寝つきにくい場合は「おひなまき」と呼ばれるおくるみの方法が効果的です。手を胸の前で軽く包み、足をM字にした状態でおくるみを巻いてあげると、赤ちゃんが安心しやすくなります。
また、抱っこをするときには背中をトントン叩くよりも、優しくさすってリズムよく揺らしてあげるのがおすすめです。寝かせるときも、頭からドンと下ろすのではなく、まずお尻を着地させてから、最後に頭をそっと置くようにしましょう。そのあと、胸に手を当ててあげると、より安心感が得られると思います。
―モロー反射はいつ頃まで続くのでしょうか?長く続く場合はどうすればいいですか?
一般的には、生後4カ月ごろまでに自然と消えていく反射です。ただし、それ以降も頻繁にモロー反射が見られるような場合は、神経や筋肉の発達に何らかの問題が隠れている可能性もあります。
気になるようであれば、小児科に相談してみることをおすすめします。専門医の意見を聞くことで、不安が和らぐことも多いですよ。
◆錦織茉央(にしきおり・まお)
看護師、助産師10年目。AGOセラピスト産婦人科クリニックにて延べ600人以上の分娩介助、3000人以上の産後育児支援。
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