パンクバンド「ボブ・ヴィラン」は、グラストンベリー・フェスティバルでの発言への批判が高まっていることを受け、「声を上げたために標的にされている」と主張した。
6月28日の公演中にフロントマンがステージ上で「IDF(イスラエル国防軍)に死を、死を」と叫んだことに対し、地元警察が刑事捜査を開始している。
同バンドは7月1日にインスタグラムに「俺たちは最初ではないし、最後でもない」「声を上げたために標的にされている」と声明を投稿した。ボブ・ヴィランの後に出演したグループ「ニーキャップ」も以前に、イスラエルによるガザ地区での軍事行動を「ジェノサイド(集団虐殺)」と表現したことがあり、非難が高まっている。
同ステージをライブストリーミングしたBBCに対しても、政治家やユダヤ人団体、一般市民から激しい批判が集中、英国のキア・スターマー首相は、「このような忌まわしいヘイトスピーチは許されない」と述べ、BBCに説明を求めた。
またグラストンベリー・フェスティバルの主催者は、この発言に「愕然とした」とした上で、パフォーマンスは「限度を超えた」とコメントを出している。
エイボン・アンド・サマセット警察がXに掲載した声明によると、ボブ・ヴィランとニーキャップのフロントマン、モ・チャラのパフォーマンスの映像を審査した後、更なる調査が必要と判断し、現在刑事捜査を進めているという。
BBCの広報担当者は、同セットには「反ユダヤ主義的な感情」が含まれており、「全く容認できない」とした上で、「BBCは表現の自由を尊重するが、暴力扇動には断固として反対する」とコメントを出している。ボブ・ヴィランはパフォーマンス前にはインスタグラムで「ついにBBCが生放送で私たちを信頼してくれるようになった!現場でも、自宅でくつろぎながらでも、生放送を楽しんで!」とにこやかに投稿していた。
ボブ・ヴィランはその後、所属事務所であるユナイテッド・タレント・エージェンシーとの契約を解除されたほか、米国ビザも取り消されている。