職場によっては、現代にそぐわない価値観を押しつけてくる上司が、理不尽な仕事を押しつけてくることがあるだろう。そんな鬱憤を痛快に晴らしてくれるのが、漫画家の大友しゅうまさんが生み出した『シのくまちゃん』だ。
舞台はとあるオフィス。部下がデータで提出しようとした資料に対し、「紙でやれって言ってんだろ!?」と一蹴する上司。さらに自分の仕事を部下に押しつけ、自分は飲み会に出かけようとする始末だ。
そこに現れたのが、白くまとペンギンのコンビ。2人は石抱(いしだき)を取り出し上司を強引に座らせる。石抱は江戸時代に被疑者を白状させるために使われた道具で、まるで洗濯板のように三角形の鋭角部分が並んだ木の板だ。この上に正座をさせられた上司は、激痛に顔を歪ませた。
その後、上司の膝の上には、今まで部下に押し付けてきた資料が積まれていき、終わりない苦痛を味わうのだった。同作について作者の大友しゅうまさんに話を聞いた。
ー「石抱」のアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?
「シのくまちゃん」は“拷問”をテーマに、現代の悪人に罰を与えるキャラクターとして生まれました。石抱きのアイデアは、職場でいまだにペーパーレス化されず分厚い紙のファイルが山積みになっている光景を見たときに、「石抱きの拷問に使えそうだな…」と思ったのがきっかけです。
ー上司が部下に資料を押し付ける話は実際に聞いたり見たりしたことがあるのでしょうか?
実際にその現場を目撃したわけではないのですが、「上司が部下に一方的に仕事を押し付ける」という話は、耳にしたことがあります。
また、会社のデスクに大量の資料ファイルが積み上がっている様子を目にしたときに、それがすごく象徴的に感じられて、エピソードのインスピレーションになりました。
ー『世にも奇妙な日常』を描くうえで、大切にされていることや共通しているテーマなどはありますか?
映画を何百本と観てきた経験から、自分が「ワクワクする展開」や「惹かれる関係性」のパターンが見えてきたように思います。『世にも奇妙な日常』では、その自分なりの「ワクワク」をオリジナルの漫画でも表現できるよう意識して描いています。
自分の好きな設定で自由に描けることが何より楽しく、作品の推進力にもなっています。
<大友しゅうまさん関連情報>
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