仕事ができる上に友達思いで、才能に溢れている。そんなドラえもんの出木杉くんのようなキャラが存在するのは、フィクションの世界だけではない。漫画家のうえはらけいたさんが以前働いていた会社の同期は、まるで漫画から飛び出してきたかのような素晴らしい人だった。
数年前、漫画を描く時間を確保するために転職を決めたうえはらさん。その送別の席を設けてくれたのが、同期の北原くんだった。夢に向けて一歩を踏み出したうえはらさんに、北原くんは「実は、自分も小説を書きたいと思っている」と打ち明ける。「お互い頑張ろう!」と励まし合ったものの、うえはらさんの心には「彼の忙しさでは難しいかもしれないな」という一抹の思いがあった。
それから数年が経ち、久しぶりに北原くんと再会したうえはらさんは、思いがけない事実を告げられる。なんと北原くんは、毎日小説を書き続けついに賞をとったのだという。驚きで言葉を失ううえはらさんに、北原くんは「書籍化も決まったんだと…」と照れながら報告する。
仕事ができて仲間思いで、地道な努力を惜しまず、そして夢を現実にしてしまう。まるで漫画の理想キャラのような人間が現実にもいるのだと実感し、胸が熱くるうえはらさんだった。同作について、うえはらさんに詳しく話を聞いた。
―作品は約5年前の2020年のできごとです。その後、北原くんはどのような道を歩まれたのでしょうか?
その後新作を出版してはいないようです。というのも会社の仕事でも優秀な評価を受けているので、そちらの方が忙しいようです!
―うえはらさんは、当時目指していた漫画家になることはできたでしょうか?
「漫画家」として名乗ることができるほどにはお仕事や書籍化の機会を頂くことはできました!ただ、自分がイメージしていたような一端の漫画家になれたかというと、まだまだですね。SNS上で漫画を発信したりはできるようになったので、今は雑誌や漫画アプリなどで長編の連載を目指しています。
―うえはらさんと同じように一度社会人を経験してから漫画家を目指す方に向けて、メッセージをお願いいたします!
これからは物語を作る仕事の価値が上がっていくと思うので、後悔する前に行動するのが良いと思います!ただ僕は「漫画で稼ぐ」ということに重点を置きすぎてしまった感が否めないので、働きながら連載や書籍化の機会をうかがうのも良いかもなとも思っています。
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