もしも道端に人が倒れているのを発見したら、適切に対処できるだろうか。そんな場面に遭遇し、戸惑いながらも行動した体験を、漫画家のあやこさんがユーモアを交えて描いている。
若い頃、車で仕事に通っていたあやこさんは、ある日の夜23時ごろ、帰宅途中の車内から、道端に人が倒れているのを発見。「事故?事件?どうしよう」と動揺しながらも、警察に通報する。
ただ実際に倒れている人の近くに行くのは怖かったため、あやこさんは車内からできる限りの情報を伝えることに。慌てて110番通報をすると電話口の警察官から、この通話は県警本部につながっているため最寄りの交番にかけ直すように案内される。とはいえ交番の電話番号など分かるはずもなく、あやこさんはその事を警察官に伝えると、警察のほうで連絡を取るので現場で待機するようにと指示されるのだった。
あやこさんが警察の到着を待っていると、通りがかった若者たちが倒れている男性に駆け寄り、「大丈夫ですか!?」と声をかける。その必死な様子に、あやこさんも勇気を出して車を降り、自分が最初に通報したことを伝えた。
男性は頭から出血し、意識は戻らないまま。若者たちは男性を車道から歩道へと運び、119番にも連絡した。あやこさんは「勝手に動かしてよかったのだろうか」と不安を抱えながら、第一発見者として警察の到着を待つことに。
やがて現場に警察が到着し事情を聴かれたあやこさんは、緊張でうまく説明できずにあたふたしてしまう。そんな中、男性が突然意識を取り戻し、「居酒屋で呑んで帰るところだ~」と陽気に語り出す。
なんと、ただの酔っ払いだったことが判明。その後、男性は警察がそのまま引き取ることになり、その場は解散。あやこさんは何事もなく済んだことに安堵しつつも、「名乗るほどの者ではありません」なんてやりとり、一度してみたかったなと思いつつ帰路につくのだった。
予想外の一夜となった当時の状況について、作者のあやこさんに話を聞いた。
―安否が分からない人が倒れていたら、110番か119番か迷う方も多いと思います。あやこさんは、なぜ110番を選ばれたのでしょうか?
その時110番しか思いつかなかったからです。とにかく人が倒れている!ということに驚いて誰か呼ばなくてはと焦っていました。
―倒れていたおじさんについて、その後警察から何か連絡はありましたか?
おじさんは、ご近所の居酒屋さんでお酒を飲んだ帰り、酔って転んで眠ってしまっていたようです。その後、警察からの連絡はなく、どうなったのかは分かりませんが、無事に帰れているといいなと思います。
―同じような状況に出くわしたとき、読者が参考にできる対応のポイントや心がまえがあれば、教えてください。
今回はたまたま助けてくれる人がいて心強かったですが、もし1人だったら警察や救急に連絡して指示を仰ぐのが良いと思いました。また、スマホから110番しても最寄りの警察署には連絡出来ないので、近所の警察署の連絡先などは控えておくのが良いのかなと思います。でも、本当はこんなことに巻き込まれないのが1番ですね。
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