「武庫女(むこじょ)」と呼ばれる兵庫県西宮市の武庫川女子大学を運営する学校法人武庫川学院が17日、同大学の公式サイトを通じ、2027年度から共学化する方針を固めたことを明らかにした。
7月28日の理事会で決定後公表し、大学名は「武庫川大学」となるという予定だという。学校法人の理事長、同大学の学長名で出された「武庫川女子大学の共学化について」との声明では「優れた環境、教育、学術研究を女性に限定せず、広く性別、年齢にかかわらず開くべきだと考え、共学化に舵を切ることに決しました」「本学は開学以来、ジェンダーや多様性に関する理解促進やキャリア形成について、教育を推進してきました。こうした教育は男性にも必要です。それが今後、ジェンダー平等を加速させる鍵であり、幅広い学びの領域を有する総合大学たる本学にはその責務があると思っています。本学の有する教育をすべての人に開く時が来た――だから『共学』と呼ばず、『皆学(かいがく)』と呼ぶことといたしました」とした。大学院はすでに共学化されている。
また「女子大学である本学を選んだ在学生のみなさんは、皆学化の方針に戸惑われると思いますが」「女子大学である本学を選んでご息女を入学させてくださった父母等のみなさまには、在学途中で共学化の方針を決定することになりましたこと、まず、お詫び申し上げます」などと触れ、教育環境やキャンパスライフのさらなる充実を約束。「20万人にのぼる本学卒業生のみなさまには、母校の変化を積極的に受け止めていただきたくお願い申し上げます」と呼びかけた。
同大学の「武庫川女子大学広報室」のX(旧ツイッター)でも共学化の方針が伝えられたが、さまざまなコメントが寄せられた。18歳人口が今後減り、女子大が募集停止や共学化を迫られる中で、今回の共学化に理解を示す意見がある一方「4年後(新入生が卒業した後)からはだめなのでしょうか?」「『女子大』を条件として選択した生徒には転学などの措置は取られるのだろうか」「女子大だから入ってきた人たちを騙したってことになりませんか」と批判的な指摘も多かった。
「武庫川女子大学の2年後への共学化方針の反対、中止または延期を求めます」としたオンライン署名も立ち上がり「なぜ学生へのアンケートを行わなかったのか?」「新1回生の入試募集前に公表し、現1回生が卒業するまで共学化を待てなかったのか?」などと問題提起している。