巨大なリュウグウノツカイがオーストラリア、タスマニア州の人里離れたビーチに打ち上げられた。「ドゥームズデイ・フィッシュ(終末の魚)」の異名を持つ200から1000メートルの深海に生息する長い銀色の魚は2日、ウォーキング愛好家のシビル・ロバートソンさんによって同州の町ストラハン近郊のオーシャンビーチで発見され、地元民らを驚かせている。
シビルさんは「あそこに行くとビーチでは一人きりになります。本当の自然です。こことアルゼンチンの間には何もありません」と現地の様子を紹介。いつもとは違う道を歩いていた時に、砂の上で旋回するワシに気づいたそうで、その下には伸びた生気のない魚が横たわっていたという。「私は身長5フィート9インチ(約175センチメートル)でそれなりの歩幅がありますが、3歩半は歩ける長さでした」と回想。魚の長さを3メートルと推定したシビルさんは「凄かったです。何か珍しく奇妙なものだとすぐわかりました」と続けた。
その後、同州の市民科学者のページに見つけた魚の写真を載せたところ、専門家らがリュウグウノツカイと特定、同種は最大8メートル、重さ40キログラム以上になるものもあるという。
タスマニア大学の海洋学者ネビル・バレット准教授は珍しい光景だとして「リュウグウノツカイは外洋性の種です。あそこには人がいません。私たちが見もしなければ、ダイビングもしませんし、その海域では漁も行いません」と説明した。一方、巨大ではあるものの危険な魚ではないとして、「途轍もなく巨大な魚です。しかし筋肉はほとんどなく、怠け者の魚です。水中を垂直に浮遊し、様々なプランクトンを食べます」と続けた。
ちなみにリュウグウノツカイは地元民にとって長い間、不気味な伝説と結びついているそうで、突然の出現は地震や津波といった自然災害の警告と信じている人々もいるという。