毎日のように全国で開催されている異業種交流会には、新たなビジネスのつながりを求めるビジネスパーソンが数多く参加する。予期せぬ協業が生まれたり、新規顧客が見つかったりと、実際にビジネスを加速させる出会いも数多く報告されている。
しかし、その華やかな側面の裏では、主催者が頭を悩ませる問題も少なくない。過去に異業種交流会を主催していた中嶋氏は、困った参加者について次のように話している。
ー異業種交流会での困った参加者とはどんな人ですか?
交流会を終えて参加者からあがってくるクレームのなかで、『男女の出会いを目的に近づかれた』という話が多くありました。クレームの対象となった人を観察していると、確かに参加者に女性がいたらすぐに近づいて名刺交換をして、後日のアポをとっている姿が見られました。男性ばかりの会では、そんな姿は見られないんですけどね(笑)
実際にアポをとって打ち合わせをしたという女性からは、ビジネスの話はそこそこにプライベートな質問が多く、『嫌な気分になりました』と言われる始末でした。
また別の参加者からは、断っても何度も付きまとわれて、店にまでやってきたというクレームもあがっていました。プレゼントを持って店に現れたときは、恐怖すら感じたそうです。
ーその人はその後どうなりましたか?
さすがに複数の参加者から類似するクレームがあがったので、その方には参加をお断りすることになりました。当初は事実を否定してたものの、何人もの人から声が上がっていると言われて諦めてくれました。
その後、彼は横のつながりでトラブルの噂が広がり、しばらくすると誰からも相手にされなくなったそうです。
◇ ◇
異業種交流会は、異なる業種の人々が知識や情報を交換し、新たなビジネスチャンスを創出するための貴重な場だ。しかし一部の目的外の参加者によって、その価値が損なわれてしまう可能性がある。実際、中嶋氏が主催している交流会は、徐々に参加者が減少するという被害に遭ったそうだ。
今後も健全なビジネス交流の場として異業種交流会が発展していくためには、主催者側の努力はもちろんのこと、参加者一人ひとりの意識とマナーが不可欠なのである。