カランコロンと響くビー玉の音。のどごし爽快なはじける炭酸。これからの季節にぴったりなドリンクといえば、ラムネだ。祭り屋台で見かけたたっぷりの氷水につかった緑の瓶も懐かしい。そんなノスタルジーも感じさせる「オールガラス製」のラムネが今年、約30年ぶりに復活した。
〝ラムネ飲料生産数世界ナンバーワン〟をうたうハタ鉱泉株式会社(大阪市)によると、ラムネは1890年代、玉入り瓶の製造に成功したことで大流行したが、国内でのオールガラス製ラムネ瓶の生産は1989年に打ち切りとなった。以降は台湾のガラス会社で委託生産されていたが、それも1996年を最後に生産打ち切りとなり、その後は生産されていなかったという。
同社でも飲み口がプラスチック製の商品が主流となっていたが、「若い世代にも40歳以上の世代にも、オールガラスの懐かしのラムネ瓶を味わってもらい、良さを再認識してほしい」と、再びオールガラス製を作るプロジェクトが2013年にスタート。12年の開発期間を経て完成した。
「HATA PREMIUM」と名付けられたオールガラス製ラムネは、カラフルな各種フレーバーにも対応できるクリアな透明。ラベルレスでゴミ分別にも配慮され、スタイリッシュに生まれ変わった。
また、特徴的な専用の木製玉押し栓も開発。「ただ開栓するだけの道具にしたくない」という思いから、手にフィットする形状や開栓に最適な玉押し部分の長さや直径を選定して試作を重ね、最終的に木材を一つ一つ削り出して作るこだわりの形状となった。
業務用専用商品として12日に発売。ホテルやレストランでの提供や、割材として使ったカクテルなど〝バーで映える〟シーンなどが期待される。シニア世代に懐かしく、Z世代には新しいオールガラス製ラムネ。同社は「口にした際の感覚やひんやりした温度感、ビー玉が転がる音の響きの違いなど、五感でラムネを楽しんでいただければ」と話している。
「HATA PREMIUM」詳細は公式サイト(https://www.hata-kosen.co.jp/)まで。