田んぼの真ん中にポツンと建つ神社の写真がSNS上で話題になっている。これらの写真を撮影したのはえびぬい(X:@enuenuenubi)さん。
四方を田んぼに囲まれた神社は全国各地に存在するようだが、社や領域の形状はそれぞれ実に個性的。いろいろ見比べていると、「なぜこうなったのか」と現在にいたるまでの歴史が気になってくる。
撮影のために2年間かけ全国200カ所以上を巡り、3月27日に写真集「ポツンと神社」(飛鳥出版)を発売するえぬびいさんに話を聞いた。
ーーポツンと神社が多い地域はどこですか?
えびぬい:東日本が圧倒的に多いです。特に多いなと感じるのは東北地方、中でも新潟、福島、千葉、茨城…などでしょうか。当たり前ですが米どころが多いですね。その地域で多く作られている農作物の畑の中にもポツンと神社があったりします。例えば茨城だとレンコン畑やさつまいも畑の中でも発見しました。
ーーこれからの撮影活動について。
えぬびい:ポツンと神社はまだまだ色んなところにあるので、撮影は今後も続けていきます。また、最近は「奇妙な風景」と称しInstagramで精力的に写真を投稿しています。不思議な場所ももっとたくさん探し出し、撮影していこうと思っています。
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SNSでは「言われてみれば気になる」「雪景色が刺さる」「田舎育ちなので当たり前だと思っていた…」などの反響とともに、「うちの近くにもあります!」と各地のポツンと神社の風景も集まった。これらの「ポツンと神社」に祀られているのは、稲荷や愛宕、先祖のお墓など様々。元々、田んぼには稲作や豊穣を見守る神がいると考えられており、祠や鳥居が作られ、区画整理でポツンと佇む地形になったことが一つの要因だと考えられる。春、田んぼに水が貼られると雲が映り込み、鳥居が浮かんだように美しく見える。ポツンと神社を見つけた際には、風景も含めて楽しんでみてはいかがだろうか。
えびぬい X:https://x.com/enuenuenubi