斎藤元彦前知事（47）の失職に伴う兵庫県知事選が17日、投開票され、無所属で出馬した斎藤氏が前尼崎市長の稲村和美氏（52）、前参院議員の清水貴之氏（50）ら6人を破って再選を確実にした。
神戸市内の商店街にある選挙事務所前に集まった支持者から、割れんばかりの「斎藤」コールに迎えられた斎藤氏は「選挙戦を通じて、本当に多くの県民の皆さんとお話をさせていただいた。強く感じたことは、もっともっと改革をして県政を前に進めて欲しい。躍動する兵庫の実現に向け、歩みを止めないで欲しい。歩みを止めたくない。そういった思いを、強く決意をさせていただいた」と、民意の後押しに感謝した。
県職員による内部文書問題や、県政の混乱を招いたことに「様々なことを学ばせていただいた。私自身も、いろんな経験をしました。ご指摘やご批判も、真摯（しんし）に受け止めていきたい」と語った。
「県職員の皆さんとの関係も、もう一度再スタートしていく。県議会の皆さんとも、政策をしっかり前に進めていく。市や町の首長さんとも、大事な信頼関係を構築していく」と、関係改善に務めるとした。
自身のパワハラ、おねだり疑惑へのテレビなどでの過熱報道は、既存メディアに不信感を持つ有権者を斎藤氏への支持へと強く駆り立てた。「県民の皆さんお一人お一人が、何が正しくて何が真実か、そしてどうあるべきか。県民の皆さんが判断していただいた」と指摘した。
「メディアの皆さんとも、そうですけども」と、メディアとの関係にも言及。「あらゆる県民の皆さんとオール兵庫でこの県政を前に進めていく。これが本当に大事だと思っている」と強調した。
記者団からは、斎藤氏の不信任を決議した県議会や、選挙期間中に稲村氏支持を表明し、斎藤氏を「知事の資格なし」と批判する異例の行動に出た県内22市の市長との向き合い方を問われた。
斎藤氏は、県議会との関係について「県議会の皆さんも、応援していただける県議のみなさんのたくさんおられる。政策をどういう風に進めていくか。ここが一番大事。いい政策をやっていく。県議会の皆さんと対話をしながらご理解いただいて…。よりよい兵庫県を創っていこうという思いは共通ですから。そこは知事と議会も同じ思い。私も謙虚に、丁寧にやっていきたい」と述べた。
22市の市長との関係について「市長さん、町長さん…皆さんも地域でいろんな課題もやっぱりある。これまでも、信頼関係を構築しながら、仕事をやらせていただいた」と振り返った斎藤氏は「今回いろんなそれぞれの立場があっていろいろ行動されたと思いますけれど、これからはオール兵庫でワンチームでやっていくことが大切」と〝ノーサイド〟を強調した。
