講談社「週刊少年マガジン」編集部は18日、同誌連載中の人気漫画「灰仭巫覡」(作・大暮維人)の単行本1巻の売り上げが前週比約6倍に跳ね上がったと発表した。人気VTuberとの交流が大バズリを呼んだという。
漫画版「化物語」、「エア・ギア」で知られる大暮氏。新連載の単行本1巻は8月16日に発売されたが、最新週(9月29日~10月5日)の売り上げが前週比約6倍に急増した。同誌編集部によると、9月29日にホロライブで活躍する人気VTuber「獅白ぼたん」がYouTubeの生誕祭配信にて、大暮氏が同日発売の誕生日記念グッズのイラストを描き下ろしたことを発表。翌30日に大暮維人公式Xアカウントにて同イラストをポストするとトレンド入り。11日時点でインプレッションは160万を超えた(18日で約171万超)。さらに今月2日に第1巻の重版が発表されると、売り上げが前日比約3倍に跳ね上がるなど、数字を後押しした。
この反響を受け、大暮氏が描いた獅白ぼたんのイラストを同誌10月23日発売号でカラー掲載することが決定。獅白ぼたんからの直筆のメッセージも公開予定。SNSのインパクトが実売にも大きな影響を及ぼすことが証明された格好だ。
「灰仭巫覡」は〝漫画の常識を覆すファンタジー巨編〟の触れ込みで連載開始。かつて天災と呼ばれていた「夜」の襲来に対し、ただひたすらに舞う少年たちの姿が描かれる。神々の力を借りる為、「夜」の怒りを鎮める為、そしてこの世界を救う為――。日本の田舎町に住む少年・仭は、「夜」により故郷を追われた英国軍人・ガオと出会う。自然に囲まれたのどかな町で、仲間たちと青春を過ごす二人。しかしそんな彼らの下に、再び「夜」が襲い来たる。
単行本1巻の発売に際し、大暮氏は「漫画が溢れているこの時代に、わざわざ手に取ってもらえたということはとても特別なことのように感じます。自分の実力不足や業界の慣例で描きたくても描けなかったものがたくさんあって、それはいつの間にか自分と作品を窮屈に縛りつけていたような気がしていました。『灰仭巫覡』は、そんな枷を少しだけ緩めて、「若かった頃の自分の体験」や「自分が憧れていた作品」や「描きたかった物語」を少しずつ思い出しながら描いています。タイトルが読みづらいと言われがちですが『カイジンフゲキ』と読みます。覚えて頂けたら幸いです!今自分にできる最上級のものを出していければと思いますので、よろしくお願いいたします!!」と意気込みを寄せている。