漫画ジャンルのひとつとして、根強い人気を誇る“ラブコメ”。反発し合う2人が最後は結ばれる定番の物語から進化を遂げ、今は新たなストーリーが次々と登場している。その中で、主流と逆をいく発想から生まれた作品『淡々カップル』が話題となっている。
作者の御崎そらさん(@Sora_Misaki_)は、会社勤めをしながら創作を行う兼業漫画家。同人作家として活動を続けながら、漫画アプリ『comipo』に掲載されたアンソロジー作品『両片想い、集めました。』の1作品に原作者としてデビューするなど、さまざまな才能を発揮している。そこで今回、Twitterで100万再生越えも記録した本作の創作秘話から工夫について話を聞いた。また、この記事では『淡々カップル』の大学編から一部を紹介する。
逆の発想から生まれた新生ラブコメ
学生のカップルが、ホラー映画を観たり、お酒を飲んだりする、何気ない日常のワンシーンを切り取り、どこか素っ気なく描いていく本作。とりわけ、衝撃的な出来事が起こるわけでもないストーリーにも関わらず、Twitterに投稿された作品は、常時数十万再生を越えている。この作品はどのような発想から生まれたのだろうか。
「約4年前、Twitterでは“付き合っているように見えて実際は付き合っていない”といった関係性のラブコメ漫画が流行っていました。では、その逆の“付き合っていないように見えて実際は付き合っている”という関係性のラブコメは面白いかなと思い、描き始めたのがきっかけになります」と御崎さん。
また、読者から好評を得ているのが絵の魅力。タイトル通り“淡々と”鮮やかな筆致で描かれる絵について御崎さんは、「いまも勉強中ですが、『だがしかし』や『よふかしのうた』が有名なコトヤマ先生の影響をかなり受けていると思います。作画ももちろんですが、コマ割りや演出も参考にした面が多くあります。また、ここ最近で自身の画風を少しだけ変えたのですが、それに関しては『目つき悪い子かわいい子』や『誰が文か』の著者であるハミタ先生の影響を受けております」と、影響を受けた作家について教えてくれた。
この作品で注目を集めた御崎さんは、今後の目標について意外なテーマを語ってくれた。「昆虫や爬虫類、両生類などのエキゾチックアニマルが好きなので、そういったジャンルの漫画を描きたいなと考えております」。現代のカップルをリアルに描く書き手が、エキゾチックアニマルをテーマにどのような作品を生み出すのか。今後も目が離せない!
■御崎そらさんInformation
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