米テレビ司会者のフィル・ドナヒューさんが死去した。88歳だった。約30年にわたり放送された人気トーク番組「フィル・ドナヒュー・ショー」でよく知られるドナヒューさんは、長い闘病生活の末、18日にこの世を去った。ニュース番組「トゥデイ」に寄せられた声明によると、ドナヒューさんは44年間連れ添った妻マーロさん、子供たち、孫たちを含む家族に囲まれて自宅で息を引き取ったという。
遺族はファンに、献花の代わりにセントジュード小児研究病院またはフィル・ドナヒュー/ノートルダム奨学基金への寄付を呼びかけている。
1950年代にオハイオ州クリーブランドの地元ラジオ局やテレビ局でメディアでのキャリアを開始したドナヒューさんは、60年代に同州デイトンで電話トーク番組の司会を始め、この頃にはジョン・F・ケネディ元米大統領、深夜司会者のジョニー・カーソン、公民権運動で活躍した人権活動家のマルコムXら、当時最も有名な公人たちにインタビューした。
1967年11月に始まった「フィル・ドナヒュー・ショー」は、公民権や中絶など、アメリカのリベラル派と保守派を二分する問題に焦点を当て、イギリスやオーストラリアでも放送されており、国際的な成功を収めたが、90年代半ばに入り競争番組が増えるにつれて視聴率は激減、1996年9月に最終回を迎えた。
一方、ドナヒューさんは現在でもテレビ業界で広く尊敬されており、オプラ・ウィンフリーが「もし『フィル・ドナヒュー・ショー』がなかったら、『オプラ・ウィンフリー・ショー』もなかったでしょう」と明かすなど、様々な著名人がドナヒューから影響を受けたことを語っている。