「最近、パソコンの文字が見づらくなった」「夕方になると目が疲れて肩こりもひどい…」など、40代、50代にもなると目に関する悩みを抱える人が多くなる。これらの症状はいわゆる「老眼」が原因かもしれない。「まだ老眼じゃない」と思う人もいるかもしれないが、いつまでもパソコンを快適に使うためには、早めに対策をしておいたほうがいい。そこで、便利なグッズとパソコンの設定の2方向から老眼対策を考えてみよう。
まずは便利グッズからだ。パソコンやスマホの画面から発せられるブルーライトは、長時間目に浴び続けると、メラトニンの生成を抑制してしまう。メラトニンは、脳内ホルモンの一種で、眠りを促す効果があるといわれている。
ブルーライトによってメラトニンの生成が抑制されると、不眠など睡眠障害を引き起こすこともあるのだ。そのためブルーライトカット眼鏡を使用すれば、ブルーライトがカットされ目への負担を軽減できる。パソコンやスマホを長時間使用する人は、持っておくといいだろう。
作業時に適度な休憩をとって、アイマスクを使って目を温めるのも有効だ。老眼の進行を早める原因のひとつが眼精疲労である。目の疲れを感じたまま、作業を継続するのは目に悪い。
アイマスクを使用して目を温めれば、血流が良くなり眼精疲労の軽減が期待できる。1日1回でも構わないので、目に優しい時間を作るようにしたい。
また、パソコンの画面と目の距離にも気を付けたい。特にノートパソコンを使用していると、距離が近くなりすぎて姿勢が悪くなってしまっている場合もある。もし作業スペースに余裕があるのであれば、外付けのキーボードやマウスを用意して、負担のない姿勢で作業ができる環境を整えよう。
グッズを使わなくても、パソコン側の設定を変えることで老眼対策ができる。最初にやっておきたいのが、文字サイズの変更だ。
Windows で表示を変更するには、「スタート」>「設定」>「アクセシビリティ」>「テキストのサイズ」 の順で選べば設定できる。Macの場合は「アップルメニュー」>「ディスプレイ」 >「アクセシビリティ」>「ディスプレイ」>「テキスト」>「テキストサイズ」から設定可能だ。
自分に合った文字サイズに変更するといいだろう。また、不適切な画面の明るさやコントラストは眼精疲労につながることがある。周囲の明るさに合わせて設定したり、画面がくっきり見えるようにコントラストを調整しよう。
目を休めながらテキストを理解したければ、音声読み上げ機能を使うのもいいだろう。これならアイマスクで目を温めながら文章の内容を理解できる。
Windowsであれば、「Ctrl」+「Windows」+「Enter」を押すと「ナレーター機能」が立ち上がり、画面のテキストを順番に読み上げてくれる。Macの場合は、「アップルメニュー」>「システム設定」>「アクセシビリティ」>「読み上げコンテンツ」>「選択項目を読み上げる」をオンにして、「Option」+「Esc」を押せば起動する。ワイヤレスのイヤホンを使えば、多少パソコンから離れた場所でも聞くことができるため、離席して外の景色を眺めながら使うのもおすすめだ。
誰にでも訪れる可能性のある「老眼」に対し早めに対策をしておけば、快適なパソコン作業を続けることができる。近年では「スマホ老眼」という言葉も生まれ、若者であっても老眼と同じような症状を抱えている場合もあるようだ。目を酷使する時代だからこそ、あらゆる対策を講じておきたい。