「その0.1秒が選手の人生を変える」”ゲーミングスマートフォン”とは

松田 和城 松田 和城

 ゲーム用に特化したスマートフォンがプロゲーマーを中心に利用されている。業界の中でもハイスペックなゲーミングスマートフォン(ゲーミングスマホ)「ROG Phone」を製作しているASUS JAPAN社のマーケティング部担当者は「ゲーミングスマホのおかげで人生が変わる人もいる」と語った。

 一般的なスマホと比べ、グラフィックなどの処理速度が高く、3Dやオンラインのゲームもストレス無く遊べるゲーミングスマホ。流通し始めた背景には、e-sportsのジャンルとしての確立がある。本気でゲームに向き合う人が増え、携帯のゲームアプリ市場も拡大した。世界ではプレイステーションなどのコンソールゲームよりもパソコンやスマホのゲームの方が、マーケットシェアは大きい。また例えば、人気シューティングアプリゲーム「PUBG Mobile」の世界大会ではiPadなどのタブレット使用が禁止になり、日本国内でも条件をそろえるためスマホのみが使用可能となった。この変更に伴い、多くのプロゲーマーはスマホでのプレイを余儀なくされ、今では国内外問わず多くのプレイヤーが使用している。

 特に一般のスマホと異なる点について、担当者は「パフォーマンスの違い」と指摘。「PUBGモバイル」などの対人シューティングゲームは0・1秒の反応が生死を分けるだけに、「『ROG Phone』はボタンをタップしてから弾を撃ち出すまでの応答時間が素早い。ゲーム内の出来事がディスプレイに映し出される速度が速いため、プレイヤーは相手よりも早く反応することができる」という。プロゲーマーは大会の1位と2位で賞金が大きく変わってくる世界だ。大げさに言えばそんな彼らの“人生の生死”もスマホの違いによって変化するということだ。

 また、一般的なスマートフォンを使っていると、たまにアプリが突然ブラックアウトしてホーム画面に戻ることがあるがROG Phoneでは「そのようなことはほぼ起きない」と力説した。ROG Phoneの最高モデルのメモリは世界初の18GBもあり、一般的なスマホの3倍ほどの容量で、デスクトップパソコンと大体同じだという。担当者は「メモリはよく机にたとえられる。机が広いと作業がしやすくなるのと一緒で、メモリが多いとたくさんの作業を負荷なくできる」と解説した。これにより、途中でゲームが中断されることなく長時間のゲームプレイが可能となる。この機能は何時間も同じ作業を行いランキングなどを競う“周回ゲーム”のユーザーにとって不可欠なものだ。

 好影響を受けるのは選手だけではない。「大会の時に選手のプレイしている画面を抜き出してYouTubeに出す場合、通常のスマートフォンでも可能だが、どうしても操作性だったりゲームの質が落ちてしまう。ゲーミングスマホならそういったこともなくきちんとプロの実力を発揮できる」と自信をみせ「大会の運営やYouTubeの人たちも安心して選手に協力を求め、利益を得ることができる」と続けた。

 日本では歴史も浅く、その値段の高さやオーバースペックに理解を得られない人もいるという。そんな中、担当者は「まずは触ってみて欲しい」と呼びかける。「アレルギーを持たないで、難しく考えないで欲しい。スペックなど全然理解できなくても『ウマ娘』だったり自分の好きなゲームをより快適にプレイできる体験を味わっていただきたい」と訴え、在宅時間も増えるコロナ禍だからこそ「触っていただいて自分の家での時間を充実させて欲しい」と期待を寄せた。

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