東京都知事選が7日、投開票され、現職の小池百合子氏(71)が3選を果たし、前参院議員の蓮舫氏(56)は同日夜に都内の会見場で敗戦の弁を述べた。当初、小池氏の〝対抗〟とみられていた蓮舫氏だが、終わってみれば、次点となった広島県安芸高田前市長・石丸伸二氏(41)の後塵(こうじん)を拝する3位という開票結果に衝撃が走った。
蓮舫氏は会見で「街頭に集まってくださった皆さんの顔、声、思いが頭をよぎり、それに対して私の力が足りなくて申し訳ないです。私は敗者ですから…。なぜ負けたのか、力が足りなかったのか、応援してくださったみなさんの声に答えられなかったのか…というところを分析して反省して、足りないところを足していきたい」と声を絞った。
メディア対応後も、会見場に集まった支援者たちによる発言の場が公開された。その中で、今回の選挙で主に蓮舫氏の支援者の間で自発的に生まれ、拡散した「ひとり街宣」についても言及があった。2022年の東京・杉並区長選でこのスタイルが注目されて以来、今回の都知事選でも一般市民が単身、独自のスタイルで投票を呼びかけた。
街宣を続けてきたという女性は「街頭に立ってチラシをまき始めた時、びっくりするほど、たくさんの差別的な言葉を投げつけられました。その時、蓮舫さんはこういった攻撃を今までたくさん受けてこられたんだなと感じました。だからこそ、私たちは絶対に負けたくないと、毎日、街頭に立ちました。それが『ひとり街宣』という形になって、(選挙戦)後半は全国各地、さらには(米国の)ニューヨークにまで広がって、私たちの民主主義が息づいていると感じました」と振り返った。
LGBT当事者である女性は「大きな存在に立ち向かって、それを変えていこうと声を上げることはすごく怖かったと思います。私自身もレズビアン当事者として生きていく中、日本では同性婚もなく、子どもを育てることも困難で、女同士で生きていくことも大変という状況において、そういうことに向き合って政策を打ち出してくださるのは蓮舫さんだけだと思った。一人一人が尊重される社会をつくっていくという当たり前のことを当たり前に言ってくれる人は蓮舫さんしかいなかった。今は、立ち上がってくれたことに感謝しかない」と涙ながらに思いを吐露した。
こういった声を受け、蓮舫氏は「仲間に恵まれてありがたかった。応援してくださった方に、ただただ、お礼が言いたいです」と感謝。今後に向け、同氏は「いい政策を勉強したいし、もっと学ばなければいけない、いろんな体験をしないといけないと思っています。初めて肩書きがなくなるわけですから、その部分では自由になれる。政治だけでなく、文学や哲学なども体系的に学んでいきたい」と前を向いた。