ロンドンの大英図書館で、82歳と85歳の女性が10日、1215年に制定され王権の制限や都市の自由などを認めた「マグナカルタ(大憲章)」の原本を収めたガラスケースを、のみと槌で破壊しようとして逮捕されたことが話題となっている。2人は脱化石燃料を訴え、過激な抗議活動を繰り返している環境保護団体「ジャストストップオイル」のメンバーだった。
同団体がSNSに投稿した映像によると、女性2人が協力して、のみと槌(つち)でガラスケースを数回叩いている。ガラスケースは割れておらず、図書館によれば、マグナカルタに損傷はなかったという。
破壊を試みた環境活動家の女性はその際、報道陣などに対して「この有名な文書は、法の支配と権力の濫用に立ち向かうことについて書かれている。われわれの政府は、気候変動に対する法律を自ら犯している」と訴えかけた。
今回狙われたのは、英国憲法の土台となった文書「マグナカルタ」の原本。4点しか存在しないマグナカルタの原文のうち2点は大英図書館に所蔵されている。ロンドン警視庁は、映像の女2人を逮捕したと発表した。