およそ10人に4人が「自分の生きているうちに世界が終わる」と信じているという。マシュー・ビレット博士が主導した最新の科学調査により、現代人の心に潜む衝撃的な終末観が明らかになった。
米国とカナダで3400人以上を対象に実施された調査の結果、回答者の約41%にあたる1409人が差し迫った黙示録を懸念していることが判明した。
研究の筆頭著者であるビレット博士は「世界の終末を信じる考えは驚くほど一般的だ」と述べている。「これは人類が直面する最も差し迫った脅威に対し、人々がどう解釈し、どう対応するかに多大な影響を与えている」
今回の研究結果は学術誌「Journal of Personality and Social Psychology」に掲載された。論文では、人々が世界の終末について考える際にいくつかの異なるパターンがあることを解明している。具体的には終末がいかに近いかという「認識された近接性」、人類に責任があるかを問う「人為的因果性」、神や超自然的な力を要因とする「神学的因果性」、人々の行動で結果を変えられるかという「個人的制御」、そして終末を良いものと捉えるか悪いものと捉えるかという「感情的価値」という5つの主要な次元を特定した。
ビレット博士はこうした終末の「物語」の違いが、現実の社会問題への対応を大きく変えると指摘する。例えば、気候変動によって人類が黙示録を引き起こしていると信じる人と終末は神の予言によって支配されていると信じる人とでは環境政策に対して全く異なる反応を示すことになる。
宗教的か否かを問わず、人類が自らの種の運命において重要な役割を果たすという点では多くの人が同意している一方で、宗教の宗派間には顕著な差異も存在していた。博士はこうした差異について、宗教や文化がいかに私たちの世界観や集合的な未来の捉え方を根本から形作っているかを示していると分析している。
特定の終末論が正確かどうかに関わらず、それらが現実のリスクに向き合う姿勢を左右する以上、人々の信念を理解することは不可欠だ。ビレット博士は気候変動やAIの安全性、パンデミック対策といった課題で合意形成を図るには、各コミュニティが自らの文化的レンズを通して脅威をどう解釈しているかを知る必要があると説く。真に壊滅的なリスクに直面する現代において、その理解はかつてないほど重要になっている。